読み方 : インシデントかんり
インシデント管理 【incident management】
概要
インシデント管理とは、情報システムの運用・管理において、利用者がシステムを正常に利用することを妨げる状態・事象へ対応し、これを取り除いて利用を続行できるようにすること。

情報システムにおける「インシデント」(incident)とは、システム障害や装置の故障などとは異なる概念であり、利用者にとって、「システムを使ってやりたいことができない状態」を意味する。例えば、「コンピュータが故障して使えない」という事態が発生した場合、「コンピュータが使えないこと」がインシデントであり、「コンピュータの故障」はその原因となる。
また、機器やシステムの側に不備や不具合がない場合でも、「このソフトウェアのこの機能の使い方が分からない」「ログインのためのパスワードを忘れてしまった」といった状況が生じる場合があり、これもインシデント管理の対象となる。
コンピュータの故障の例では、障害対応・復旧の観点からは「故障箇所を特定して修理する」が典型的な対応策となるが、インシデント管理の観点からは「代わりのコンピュータを用意する」なども考えられる。利用者がやりたいことをできるようにする施策を講じることが重要となる。
インシデント管理は利用者がITを使用できる状態を維持するITサービスマネジメントの重要なプロセスの一つとされ、ITILやISO/IEC 20000といった規格やガイドラインにより標準的な体制やプロセスの体系が定められている。
(2020.1.24更新)
「インシデント管理」の関連用語
他の用語辞典による「インシデント管理」の解説 (外部サイト)
資格試験などの「インシデント管理」の出題履歴
▼ ITパスポート試験
【令4 問44】 ITサービスマネジメントにおけるインシデント管理の目的として、適切なものはどれか。
【令4 問49】 ITサービスの利用者からの問合せに自動応答で対応するために、チャットボットを導入することにした。このようにチャットボットによる自動化が有効な管理プロセスとして、最も適切なものはどれか。
【平30秋 問49】 インシデント管理の目的について説明したものはどれか。
【平25秋 問44】 サービスデスクのインシデント管理に関する評価指標①~③のうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。① SLAで定められた目標対応時間内に対応が完了したインシデントの割合② インシデントの平均解決時間③ 対応が終了していないインシデントの割合。
【平24春 問39】 インシデント管理に関する記述のうち、適切なものはどれか。
【平23秋 問35】 ITサービスマネジメントが担う情報システムの管理作業のうち、システムの不具合の暫定的な回避策を実施し迅速な復旧を行うプロセスはどれか。
【平23春 問35】 業務で使用するPCにおいてプログラムに不具合があり、 PCが操作不能になる現象がサービスデスクに報告された。 ITサービスマネジメントにおけるインシデント管理で実施する作業として、適切なものはどれか。
【平22春 問48】 ITサービスにおいて、問題が発生したときの解決プロセスにはインシデント管理と問題管理がある。インシデント管理の説明として、適切なものはどれか。
【平21秋 問31】 サービスデスクがシステムの利用者から障害の連絡を受けた際の対応として、インシデント管理の観点から適切なものはどれか。
【平21春 問40】 システムの運用管理におけるインシデント管理の目的として、適切なものはどれか。
▼ 基本情報技術者試験
【令3修12 問59】 情報システムのインシデント管理に対する監査で判明した状況のうち,監査人が,指摘事項として監査報告書に記載すべきものはどれか。
【平31修1 問59】 情報システムのインシデント管理に対する監査で判明した状況のうち,監査人が,指摘事項として監査報告書に記載すべきものはどれか。
【平24修6 問57】 ITサービスマネジメントの活動のうち,インシデント管理として行うものはどれか。
【平24修1 問57】 ITサービスマネジメントにおいて,インシデント管理の対象となるものはどれか。