読み方 : かどうりつ

稼働率 【operating ratio】

概要

稼働率(operating ratio)とは、設備などがある期間に受けた要求に対して実際に提供した能力の割合。ITの分野では、全時間に対する稼働時間の割合を意味する。この値が高いほど可用性が高いことを示している。

解説 機器やシステム、回線などについて、稼働が期待される全時間のうち、故障やメンテナンスで停止している時間を除いた実質の稼働時間の比率を表す。この値が高いほど可用性信頼性の高いシステムであると言える。例えば、24時間365日無停止が期待されるシステムの稼働率が99.999%の場合、1年間に5分程度停止していることになる。

他の産業分野では、生産実績(あるいは生産需要、要求)に対する生産能力の比率を意味し、需要に対して十分な能力が提供されているかどうかを測る指標となる。例えば、1日100個の生産能力を持つ製造機械がある日に50個生産すれば、その日の稼働率は50%となる。また、100室のホテルがある日50室埋まっていれば、その日の稼働率は50%となる。

この場合、稼働すべき時間に対して実際に稼働できている時間の比率は「可動率」と呼ばれる。IT業界での稼働率は他業界での可動率にあたる。

(2019.3.26更新)

他の用語辞典による「稼働率」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「稼働率」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
令7 問94】 稼働率0.9の装置で並列システムを構成したい。このシステムの稼働率を0.999とするためには,最低何台の装置で並列システムを構成する必要があるか。
令6 問38】 あるシステムの運用において、利用者との間でSLAを交わし、利用可能日を月曜日から金曜日、1日の利用可能時間を7時から22時まで、稼働率を98%以上で合意した。
令6 問67】 図に示す2台のWebサーバと1台のデータベースサーバから成るWebシステムがある。Webサーバの稼働率はともに0.8とし、データベースサーバの稼働率は0.9とすると、このシステムの小数第3位を四捨五入した稼働率は幾らか。
平30春 問80】 稼働率0.9の装置を2台直列に接続したシステムに、同じ装置をもう1台追加して3台直列のシステムにしたとき、システム全体の稼働率は2台直列のときを基準にすると、どのようになるか。
平28春 問60】 同じ装置が複数接続されているシステム構成 a〜c について、稼働率が高い順に並べたものはどれか。ここで、—□— は装置を表し、並列に接続されている場合はいずれか一つの装置が動作していればよく、直列に接続されている場合は全ての装置が動作していなければならない。
平26秋 問84】 図のような構成の二つのシステムがある。システムXとYの稼働率を同じにするためには、装置cの稼働率を幾らにすればよいか。ここで、システムYは並列に接続した装置Bと装置Cのどちらか一つでも稼働していれば正常に稼働しているものとし、装置Aの稼働率を0.8、装置Bの稼働率を0.6とする。
平25秋 問52】 図1のように稼働率0.9の装置Aを2台並列に接続し、稼働率0.8の装置Bをその後に直列に接続したシステムがある。このシステムを図2のように装置Aを1台にした場合、システムの稼働率は図1に比べて幾ら低下するか。
平25春 問83】 次の式で求まる信頼性を表す指標の説明はどれか。MTBFMTBF+MTTR
平24春 問70】 MTBFが600時間、MTTRが12時間である場合、稼働率はおおよそ幾らか。
平23春 問71】 あるシステムにおいて, MTBFとMTTRがどちらも1.5倍になったとき、稼働率はどうなるか。
平22秋 問64】 三つの装置A、B、Cの稼働率はそれぞれ0.90、0.95、0.95である。これらを組み合わせた図のシステムのうち、最も稼働率が高いものはどれか。
平22春 問77】 2台の処理装置が直列に接続されているシステムがある。両方の処理装置が正常に動作しないとシステムは稼働しない。両方の処理装置の故障の発生は独立しており、稼働率が等しい場合の、処理装置の稼働率とシステムの稼働率の関係を表すグラフの形はどれか。
平21春 問61】 あるシステムは5,000時間の運用において、故障回数は20回、合計故障時間は2,000時間であった。おおよそのMTBF、MTTR、稼働率の組合せのうち、適切なものはどれか。
平21春 問70】 2台の処理装置からなるシステムがある。両方の処理装置が正常に稼働しないとシステムは稼働しない。処理装置の稼働率がいずれも0.90であるときのシステムの稼働率は幾らか。

▼ 基本情報技術者試験
令7修7 問12】 東京と福岡とを結ぶ実線の回線がある。東京と福岡との間の信頼性を向上させるために,大阪を経由する破線の迂回回線を追加した。迂回回線追加後における,東京と福岡との間の稼働率は幾らか。
令7修6 問12】 図のようなLAN設備がある。LAN1のクライアントはLAN3に接続されているサーバを使用して,ある業務処理を行っている。通常は,ルータを介して通信を行っているが,ルータ1の故障時にはルータ2,3を介して通信を行う。
令7公 問4】 MTBFは4,000時間,MTTRは1,000時間の装置がある。今後の6年間は,予防保守によってMTBFを前年に比べて毎年100時間ずつ改善し,遠隔保守によってMTTRを前年に比べて毎年100時間ずつ改善していく計画である。
令5修7 問12】 東京と福岡とを結ぶ実線の回線がある。東京と福岡との間の信頼性を向上させるために,大阪を経由する破線の迂回回線を追加した。迂回回線追加後における,東京と福岡との間の稼働率は幾らか。
令3修12 問15】 MTBFが45時間でMTTRが5時間の装置がある。この装置を二つ直列に接続したシステムの稼働率は幾らか。
令3修7 問16】 東京~大阪及び東京~名古屋がそれぞれ独立した通信回線で接続されている。東京~大阪の稼働率は0.9,東京~名古屋の稼働率は0.8である。
令2修7 問16】 図に示すシステム構成全体の稼働率を表す式はどれか。ここで,システムが正常に稼働するためには,磁気ディスクは2台とも正常でなければならず,それぞれのサイトで少なくとも1台の端末は正常でなければならない。
令2修6 問16】 稼働率が最も高いシステム構成はどれか。ここで,並列に接続したシステムは,少なくともそのうちのどれか一つが稼働していればよいものとする。
令2修1 問15】 MTBFが45時間でMTTRが5時間の装置がある。この装置を二つ直列に接続したシステムの稼働率は幾らか。
令1修12 問16】 MTBFがx時間,MTTRがy時間のシステムがある。使用条件が変わったので,MTBF,MTTRがともに従来の1.5倍になった。
令1秋 問16】 2台の処理装置から成るシステムがある。少なくともいずれか一方が正常に動作すればよいときの稼働率と,2台とも正常に動作しなければならないときの稼働率の差は幾らか。
平31春 問14】 図のように,1台のサーバ,3台のクライアント及び2台のプリンタがLANで接続されている。このシステムはクライアントからの指示に基づいて,サーバにあるデータをプリンタに出力する。
平30修12 問15】 稼働率が最も高いシステム構成はどれか。ここで,並列に接続したシステムは,少なくともそのうちのどれか一つが稼働していればよいものとする。
平30秋 問15】 東京と福岡とを結ぶ実線の回線がある。東京と福岡との間の信頼性を向上させるために,大阪を経由する破線の迂回回線を追加した。迂回回線追加後における,東京と福岡との間の稼働率は幾らか。
平30修7 問15】 東京~大阪及び東京~名古屋がそれぞれ独立した通信回線で接続されている。東京~大阪の稼働率は0.9,東京~名古屋の稼働率は0.8である。
平30修6 問15】 2台の処理装置から成るシステムがある。少なくともいずれか一方が正常に動作すればよいときの稼働率と,2台とも正常に動作しなければならないときの稼働率の差は幾らか。
平29修12 問15】 図のように,1台のサーバ,3台のクライアント及び2台のプリンタがLANで接続されている。このシステムはクライアントからの指示に基づいて,サーバにあるデータをプリンタに出力する。
平29秋 問15】 MTBFが45時間でMTTRが5時間の装置がある。この装置を二つ直列に接続したシステムの稼働率は幾らか。
平29修6 問15】 3台のコンピュータ A~C が図のように接続されている場合,システム全体の稼働率は幾らか。ここで,A~C の稼働率は,すべて0.8とする。
平29春 問14】 稼働率Rの装置を図のように接続したシステムがある。このシステム全体の稼働率を表す式はどれか。ここで,並列に接続されている部分はどちらかの装置が稼働していればよく,直列に接続されている部分は両方の装置が稼働していなければならない。
平29修1 問15】 四つの装置 A~D で構成されるシステム全体の稼働率として,最も近いものはどれか。ここで,各装置の稼働率は,AとCが0.9,BとDが0.8とする。
平28修12 問15】 2台の処理装置から成るシステムがある。少なくともいずれか一方が正常に動作すればよいときの稼働率と,2台とも正常に動作しなければならないときの稼働率の差は幾らか。
平28修7 問14】 図のような並列システムにおいて,各サブシステムの稼働率が70%のとき,システム全体の稼働率99%以上にするためには,最低何台のサブシステムを並列に構成する必要があるか。
平28修6 問15】 稼働率が0.9の装置を複数個接続したシステムのうち,2番目に稼働率が高いシステムはどれか。ここで,並列接続部分については,少なくともどちらか一方が稼働していればよいものとする。
平28春 問14】 図のように,1台のサーバ,3台のクライアント及び2台のプリンタがLANで接続されている。このシステムはクライアントからの指示に基づいて,サーバにあるデータをプリンタに出力する。
平27修12 問15】 東京~大阪及び東京~名古屋がそれぞれ独立した通信回線で接続されている。東京~大阪の稼働率は0.9,東京~名古屋の稼働率は0.8である。
平27秋 問15】 2台の処理装置から成るシステムがある。少なくともいずれか一方が正常に動作すればよいときの稼働率と,2台とも正常に動作しなければならないときの稼働率の差は幾らか。
平27修7 問14】 四つの装置 A~D で構成されるシステム全体の稼働率として,最も近いものはどれか。ここで,各装置の稼働率は,AとCが0.9,BとDが0.8とする。
平27修6 問15】 3台のコンピュータ A~C が図のように接続されている場合,システム全体の稼働率は幾らか。ここで,A~C の稼働率は,すべて0.8とする。
平27春 問15】 稼働率が最も高いシステム構成はどれか。ここで,並列に接続したシステムは,少なくともそのうちのどれか一つが稼働していればよいものとする。
平27修1 問15】 図のように,1台のサーバ,3台のクライアント及び2台のプリンタがLANで接続されている。このシステムはクライアントからの指示に基づいて,サーバにあるデータをプリンタに出力する。
平26修12 問14】 稼働率Rの装置を図のように接続したシステムがある。このシステム全体の稼働率を表す式はどれか。ここで,並列に接続されている部分はどちらかの装置が稼働していればよく,直列に接続されている部分は両方の装置が稼働していなければならない。
平26秋 問14】 東京~大阪及び東京~名古屋がそれぞれ独立した通信回線で接続されている。東京~大阪の稼働率は0.9,東京~名古屋の稼働率は0.8である。
平26修6 問15】 図のようなLAN設備がある。LAN1のクライアントはLAN3に接続されているサーバを使用して,ある業務処理を行っている。通常は,ルータを介して通信を行っているが,ルータ1の故障時にはルータ2,3を介して通信を行う。
平26修1 問19】 システム全体の稼働率が (1-(1-A)2)2 で表されるシステム構成図はどれか。
平25修7 問19】 稼働率Rの装置を図のように接続したシステムがある。このシステム全体の稼働率を表す式はどれか。ここで,並列に接続されている部分はどちらかの装置が稼働していればよく,直列に接続されている部分は両方の装置が稼働していなければならない。
平25修6 問20】 東京~福岡を結ぶ回線がある。この回線の信頼性を向上させるために,図に示すような東京~大阪~福岡を結ぶ破線の迂回回線を追加した。
平25春 問15】 MTBFが45時間でMTTRが5時間の装置がある。この装置を二つ直列に接続したシステムの稼働率は幾らか。
平25修1 問18】 四つの装置 A~D で構成されるシステム全体の稼働率として,最も近いものはどれか。ここで,各装置の稼働率は,AとCが0.9,BとDが0.8とする。
平24修12 問19】 3台のコンピュータ A~C が図のように接続されている場合,システム全体の稼働率は幾らか。ここで,A~C の稼働率は,すべて0.8とする。
平24秋 問15】 図のような,稼働率Pのシステムで構成された多重化システム全体の稼働率を表す式はどれか。ここで,並列の部分は,どちらか一方が稼働していればよいものとする。
平24修7 問19】 図のように,1台のサーバ,3台のクライアント及び2台のプリンタがLANで接続されている。このシステムはクライアントからの指示に基づいて,サーバにあるデータをプリンタに出力する。
平24修6 問20】 図のような並列システムにおいて,各サブシステムの稼働率が70%のとき,システム全体の稼働率99%以上にするためには,最低何台のサブシステムを並列に構成する必要があるか。
平24春 問17】 図に示すシステム構成全体の稼働率を表す式はどれか。ここで,システムが正常に稼働するためには,磁気ディスクは2台とも正常でなければならず,それぞれのサイトで少なくとも1台の端末は正常でなければならない。
平24修1 問19】 図のようなLAN設備がある。LAN1のクライアントはLAN3に接続されているサーバを使用して,ある業務処理を行っている。通常は,ルータを介して通信を行っているが,ルータ1の故障時にはルータ2,3を介して通信を行う。
平23秋 問19】 東京~福岡を結ぶ回線がある。この回線の信頼性を向上させるために,図に示すような東京~大阪~福岡を結ぶ破線の迂回回線を追加した。
平23修7 問18】 四つの装置 A~D で構成されるシステム全体の稼働率として,最も近いものはどれか。ここで,各装置の稼働率は,AとCが0.9,BとDが0.8とする。
平23修6 問18】 システム全体の稼働率が (1-(1-A)2)2 で表されるシステム構成図はどれか。
平23修1 問18】 稼働率が大きくなるものはどれか。
平23修1 問19】 3台のコンピュータ A~C が図のように接続されている場合,システム全体の稼働率は幾らか。ここで,A~C の稼働率は,すべて0.8とする。
平22修12 問19】 図のように,1台のサーバ,3台のクライアント及び2台のプリンタがLANで接続されている。このシステムはクライアントからの指示に基づいて,サーバにあるデータをプリンタに出力する。
平22秋 問19】 四つの装置 A~D で構成されるシステム全体の稼働率として,最も近いものはどれか。ここで,各装置の稼働率は,AとCが0.9,BとDが0.8とする。
平22修7 問18】 図のような並列システムにおいて,各サブシステムの稼働率が70%のとき,システム全体の稼働率99%以上にするためには,最低何台のサブシステムを並列に構成する必要があるか。
平22春 問16】 稼働率が0.9の装置を複数個接続したシステムのうち,2番目に稼働率が高いシステムはどれか。ここで,並列接続部分については,少なくともどちらか一方が稼働していればよいものとする。
平22修1 問17】 3台のコンピュータのうち1台が正常であればよいシステムの稼働率を表す式はどれか。ここで,各コンピュータの稼働率はいずれもAで,システムの切替えなどに要する時間は無視できるものとする。
平21修12 問18】 平均故障間隔がx時間,平均修理時間がy時間のシステムがある。使用条件が変わったので,平均故障間隔,平均修理時間がともに従来の1.5倍になった。
平21秋 問16】 3台のコンピュータ A~C が図のように接続されている場合,システム全体の稼働率は幾らか。ここで,A~C の稼働率は,すべて0.8とする。
平21修6 問16】 図のように,1台のサーバ,3台のクライアント及び2台のプリンタがLANで接続されている。このシステムはクライアントからの指示に基づいて,サーバにあるデータをプリンタに出力する。
平21修6 問17】 ある装置の5か月間における各月の稼働時間と修理時間は表のとおりである。この装置のMTBF,MTTR及び稼働率の組合せとして,適切なものはどれか。
平21春 問16】 東京~大阪及び東京~名古屋がそれぞれ独立した通信回線で接続されている。東京~大阪の稼働率は0.9,東京~名古屋の稼働率は0.8である。
平21春 問56】 システムの信頼性を比較する目的で稼働率を測定するのに適切な時期はどれか。