スイッチオーバー 【switchover】
概要
スイッチオーバー(switchover)とは、稼働中の機器やシステム、回線などから、同等の機能を持つ待機系へ手動で切り替えを行うこと。メンテナンスなどのために稼働系を停止したいときに行われることが多い。業務用のシステムやネットワークなどでは、重要な機器やシステム、通信回線、ネットワークなどの信頼性を高めるため、同等の機能や構成を持つ二系統を設置し、互いに相手方へすぐに切り替えられるようにする二重化が行われることが多い。
平常時に動作している稼働系から、何らかの理由により待機系への切り替えを行い、処理や機能を引き継ぐ操作をスイッチオーバーという。通常は管理者の指示や操作によって行われるが、システムによってはあらかじめ指定した条件に基いて自動スイッチオーバーを行う機能が組み込まれる場合もある。
スイッチオーバーは稼働系の機器に障害が発生し処理を続行できなくなった場合や、稼働系の機器やソフトウェアのメンテナンスやアップデート、交換などを行うため、人為的に停止して切り離す必要がある場合などに行われる。保守作業が終わり復帰させる場合も稼働中の系からのスイッチオーバーが行われるが、この操作を「スイッチバック」(switchback)と呼ぶこともある。
一方、障害発生時に自動的に待機系へ切り替えを行うことを「フェイルオーバー」(failover)という。障害を検知すると自動で瞬時に切り替えが実行され、途上だった処理や通信なども待機系へ引き継がれる。スイッチオーバーを切り替え処理・操作全般を指す総称とし、フェイルオーバーはその特殊な一形態であるとみなす立場もある。
(2021.10.29更新)