フェイルオーバー 【failover】 F/O / フェールオーバー / FO
概要
フェイルオーバー(failover)とは、稼働中のシステムに障害が発生した際に、代替システムがその機能を自動的に引き継ぎ、処理を続行する仕組み。業務用の情報システムなどで、機器やネットワークの信頼性を高めるためによく用いられる。システムの可用性を高める手法の一つである。どんなにシステムの構成要素の信頼性を高めても何らかの異状で停止する事態は必ず発生するという前提に立ち、停止しても代替系統がすぐに処理を引き継ぐようにシステムを構成する。
代替系はすぐに処理を引き継げるよう稼動状態で待機しており、現用系の停止を検知すると即座に切り替わって処理を引き継ぐ。システムの種類や性能にもよるが、切り替え動作は一瞬で行われるため、外部から接続している他の機器や利用者は再接続や再要求などの手続きを行う必要はない。
一方、障害の発生を管理者などの人間に知らせ、その判断や指示により切り替え処理を行う方式を「スイッチオーバー」(switchover)という。また、完全な代替とはならないが部分的に機能を補うことができる系統に切り替えることは「フォールバック」(fallback:縮退運転)という。
フェイルオーバーやスイッチオーバーで離脱した系統の問題が解決して稼働が再開され、代替系から処理を戻す動作のことは「フェイルバック」(failback)あるいは「切り戻し」などという。「切り戻し」はフェイルオーバー後の復帰だけでなく、システム移行に失敗した際に移行前の状態に戻す操作などを表すこともある。
(2024.3.8更新)