フェイルソフト 【fail soft】 フェールソフト
概要
フェイルソフト(fail soft)とは、機器やシステムの設計などについての考え方の一つで、事故や故障が発生した際に、問題の個所を切り離すなどして被害の拡大を防ぎ、全体を止めることなく残りの部分で運転を継続すること。故障などが起きることを前提に、問題の個所を停止させたり、切り離したり、他の個所へ被害が拡大しにくい構造にするなどして、できるだけシステム全体を停止させずに性能・機能を落として稼働を継続(縮退運転)するような仕組みや考え方を意味する。
例えば、複数のエンジンを積んだ航空機では、エンジンに火災が発生すると燃料の供給を断って延焼を防ぎ、残ったエンジンで速度を落として飛行を継続できるような設計になっている。情報システムの運用でも、機材を二重化するなどの手法で一部が故障で停止しても性能を落として稼働を続行するなどの対策が行われることがある。
これに対し、一部が機能を失っても全体としての機能を保ち、正常に稼動させ続けることは「フォールトトレランス」(fault tolerance)あるいは「フォールトトレラント」(fault tolerant)、問題が起きた時になるべく安全な状態に移行するよう制御するような設計・思想は「フェイルセーフ」(fail safe)、誤操作しても危険が生じない、あるいは誤操作できない構造や仕組みに設計することは「フールプルーフ」(fool proof)とそれぞれ呼ばれる。
(2024.1.12更新)