読み方 : かんぜんかほしゅ

完全化保守【perfective maintenance】

完全化保守とは?

ソフトウェアの不具合修正や障害対応ではなく、利用者からの要望や業務環境の変化に応じて機能を追加・改善するために行う保守活動のこと。
完全化保守のイメージ画像

ソフトウェアは一度リリースされると、実際に使われていく中で様々な改善要望が生まれる。「この処理をもっと速くしてほしい」「新しいレポート出力機能が必要だ」「操作画面をもっと使いやすくしてほしい」といった声がその典型である。完全化保守はこうした声に応えるための活動であり、既存機能の修正ではなく、ソフトウェアの価値そのものを高めることを目的としている。

ソフトウェア保守ISOIECによる国際規格(ISO/IEC 14764)において4種類に分類されており、完全化保守(perfective maintenance)はその一つに数えられる。残りの3種類は、バグ修正を行う「是正保守」、システム環境の変化に対応する「適応保守」、将来の保守作業を容易にする「予防保守」である。これらと比較すると、完全化保守は障害への対応ではなく積極的な機能向上を扱う点で性格が異なる。

実際の保守作業において、完全化保守が占める割合は他の種類と比べて高いとされている。調査や研究によってばらつきはあるが、保守工数全体の半分以上を完全化保守が占めるという報告もある。これは、ソフトウェアの運用期間が長くなるほど蓄積される改善要望が増えること、また、業務や規制の変化への対応が継続的に求められることによるものである。

完全化保守を適切に管理するためには、要望の優先順位づけや費用対効果の評価が欠かせない。すべての要望をそのまま取り込むと、ソフトウェアの設計が複雑化したり、予期しない不具合が生じるリスクが高まるためである。このため、変更管理のプロセスを整備し、影響範囲の分析やテストを計画的に実施することが一般的な運用方法となっている。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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