問題管理 【problem management】
組織内でのITサービスの提供において、利用者が目的のIT機能を利用できない状態・事象のことを「インシデント」(incident)と呼び、インシデントを引き起こす原因のことを「問題」(problem)という。
例えば、「プリンタで印刷ができない」はインシデントで、「プリンタが故障している」が問題にあたる。この場合、問題を解決するには「修理に出す」「買い換える」などの手段が必要となるが、単にインシデントを解消するだけなら、例えば「動いている他のプリンタで印刷する」という選択肢もあり得る。
ITILなどのITサービス運用の規格では、インシデントと問題は区別し、それぞれについて記録、対応することが求められる。一般的にはインシデント対応を優先させ、その後に問題の識別、分類、記録、優先度の設定、調査、診断、解決策の策定と実行という手順を踏むことが多い。
問題管理プロセスでは専用の管理ツールなどを用いて問題を一件ずつ台帳に記録し、詳細や現在の状態、過去に登録された問題の一覧などをサポート部門内で共有できるようにする。また、発生したインシデントから原因となる問題を探るだけでなく、将来インシデントを発生させうる潜在的な問題を探索する活動が行われる場合もある。
(2021.9.13更新)