問題管理 【problem management】

概要

問題管理(problem management)とは、情報システム運用の妨げとなる問題(probrem)について、その記録や診断、解決策の実行といった一連のプロセスを体系的に管理する活動。

組織内でのITサービスの提供において、利用者が目的のIT機能を利用できない状態・事象のことを「インシデント」(incident)と呼び、インシデントを引き起こす原因のことを「問題」(problem)という。

例えば、「プリンタで印刷ができない」はインシデントで、「プリンタが故障している」が問題にあたる。この場合、問題を解決するには「修理に出す」「買い換える」などの手段が必要となるが、単にインシデントを解消するだけなら、例えば「動いている他のプリンタで印刷する」という選択肢もあり得る。

ITILなどのITサービス運用の規格では、インシデントと問題は区別し、それぞれについて記録、対応することが求められる。一般的にはインシデント対応を優先させ、その後に問題の識別、分類、記録、優先度の設定、調査、診断、解決策の策定と実行という手順を踏むことが多い。

問題管理プロセスでは専用の管理ツールなどを用いて問題を一件ずつ台帳に記録し、詳細や現在の状態、過去に登録された問題の一覧などをサポート部門内で共有できるようにする。また、発生したインシデントから原因となる問題を探るだけでなく、将来インシデントを発生させうる潜在的な問題を探索する活動がわれる場合もある。

(2021.9.13更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
ホーム画面への追加方法
1.ブラウザの 共有ボタンのアイコン 共有ボタンをタップ
2.メニューの「ホーム画面に追加」をタップ
閉じる