JP1
概要
JP1とは、日立製作所が開発・販売している、企業のITシステムの運用管理ソフト。IT資産の管理や稼動状況の把握、定型業務の自動化、セキュリティ対策などを統合的に行うことができる。1台から数千台まで様々な規模のシステムに導入することができ、必要に応じて拡張していくことができる。「オートメーション」「モニタリング」「コンプライアンス」の3分野で様々なソフトウェア製品やサービスを提供しており、これらの中から必要なものを組み合わせてシステムを構成する。
オートメーションはITシステムの運用・実行に関する分野で、運用自動化(JP1/Automatic Operationなど)、ジョブ管理(JP1/Automatic Job Management Systemなど)、バックアップ管理(JP1/VERITAS NetBackupなど)で構成される。
モニタリングはIT資産やサービスの管理・監視に関する分野で、統合管理(JP1/Integrated Managementなど)、ITサービス管理(JP1/Service Support)など、パフォーマンス管理(JP1/Service Level Managementなど)、ネットワーク管理(JP1/Network Node Manager iなど)で構成される。
コンプライアンスはIT資産を不正や攻撃から守る分野で、資産・配布管理(JP1/IT Desktop Management)、セキュリティ管理(JP1/秘文)で構成される。
販売形態はソフトウェアの買い取り型(サポートや更新は別途有料)の他に、一定期間の利用契約を結び毎月一定額の料金(サポート込み)を支払うサブスクリプション型、クラウドサービス(Amazon Web Services)上で時間単位で課金される従量課金型、日立の運用するシステムにネットワークを介して接続しサービスとして利用するSaaS型が用意されている。
JP1/AJS (Automatic Job Management System)
JP1製品群の一つで、システム上で実行されるプログラム群の実行管理を行うジョブスケジューラ。メインフレーム系システム向けのジョブスケジューラ製品としては国内で最も人気の高いものの一つ。
情報システムの運用や管理のために繰り返し実行される一連のプログラムの流れを「ジョブ」という。管理者はAJSの操作画面上でジョブの内容や実行スケジュールなどを定義すると、これに従って自動的にジョブの投入を行う。
関連する一連の複数のジョブの流れを「ジョブネット」として登録することができ、実行順序や条件分岐(異常時のみ実行するジョブの指定など)を定義することができる。ジョブの実行状態も常に監視し、現況や結果を分かりやすく報告してくれる。