ベストプラクティス【best practice】

概要

ベストプラクティスとは、ある目的や課題に対して、その時点で最善とされる手法や手順、実践例のこと。再現性と汎用性を備え、他者が参照・模倣できることが条件であり、業界標準や推奨手法として共有・普及が図られる。
ベストプラクティスのイメージ画像

ベストプラクティスは、何かを行う方法や工程、その実践例の中で、一定の基準に照らして最も優れていると評価されたものを指す。単に結果が良かった事例を指すわけではなく、誰が実行しても同様の効果が期待できる再現性と、他の状況や組織に応用できる汎用性を備えていることが求められる。

偶然の要素が大きく作用して成功した事例や、特定の人物の属人的な能力に依存した手法は、成果が優れていてもベストプラクティスとはみなされない。法令違反や倫理上の問題を伴う方法も同様に除外される。これらの要件によってベストプラクティスは単なる成功事例と区別される。

IT分野では、ソフトウェア開発、プロジェクト管理、情報セキュリティネットワーク運用、クラウドサービスの利用など、様々な領域でベストプラクティスが示されている。ITサービス管理の成功事例をまとめたITILのように、業界団体や標準化機関、ソフトウェア開発元などが公開するフレームワークや技術文書に体系化され、事実上の標準デファクトスタンダード)として機能するものもある。ただし、これらは特定の環境や前提条件を想定している場合もあるため、自組織の状況に合わせて適用の可否を判断する必要がある。

ベストプラクティスは固定的な概念ではなく、技術の進歩や法制度の改正、市場環境の変化によって更新される。従来の最善手法が陳腐化したり、それを上回る新たな事例が現れれば、ベストプラクティスはそちらへと移行する。理論上の上限値のような絶対的な存在ではなく、常に見直しと更新の対象となるものである。

(2026.6.18更新)
 

他の辞典等による「ベストプラクティス」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。