コンシューマライゼーション 【consumerization】

概要

コンシューマライゼーション(consumerization)とは、企業や官庁などの情報システムで、一般消費者向けのIT製品やサービスを導入・利用すること。また、IT関連製品や技術の進歩・革新を一般消費者向け分野が主導し、企業向けIT分野がそれを後追いして取り込むようになる傾向のこと。

これまで、IT・通信関連の製品やサービスは、法人向け部門で先端的、革新的な製品が登場し、後からその技術を応用した製品が一般消費者向けとして提供される傾向が強かった。

しかし、近年ではネットサービスや携帯端末などの分野を中心に、消費者向け部門においてより先進的な製品が登場し、急速に普及することが増え、そうした製品やその要素技術などを企業のITシステムに取り込んだり、法人向け製品に後追い的に組み込む傾向が強まっている。このような状況をコンシューマライゼーションと呼ぶ。

具体的には、従業員が私用の製品を持ち込んで業務に利用する「BYOD」(Bring Your Own Device)や、タブレット端末や個人向けネットサービスなどの業務利用などの動きがある。古くはパソコンオフィスへの導入もコンシューマライゼーションの一種だったと指摘する人もいる。

個人向けに設計された製品やサービスを組織内で使用することで、既存システムとの相互接続性や情報漏えい対策などのセキュリティ確保、装置やデータ、コストにおける公私の区分や分離など、法人向けで「閉じて」いた時代には見られなかった新たな課題が浮上している。

(2020.2.11更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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