RAS 【Remote Access Service】 リモートアクセスサービス
概要
RAS(Remote Access Service)とは、電話回線やISDN回線などを通じて遠隔地のコンピュータやネットワークにダイヤルアップ接続し、それらの持つ機能やデータなどの資源を遠隔から利用すること。Windowsの提供する機能の名称だが、そのような機能やサービス一般を指す場合もある。RASによる接続を受け付けるサーバのことをRASサーバあるいはRAS(Remote Access Server)と呼ぶ。
企業などで従業員が自宅から会社のネットワークに接続して業務に必要なファイルをダウンロードしたり、リモートデスクトップ機能などで自分のコンピュータを遠隔操作したりするのに使われた。ダイヤルアップ接続が一般的でなくなり、(常時接続の)インターネットを通じてアクセスする方式が主流となったため、現在ではあまり使われていない。
RASサーバ
Windowsのリモートアクセスサービスで遠隔地からネットワークにアクセスするのに必要なサーバ。Windows Serverシリーズの機能の一部として提供される。
RASサーバにはモデムなどがつながれており、電話回線やISDN回線などを通じて遠隔地のパソコンなどからダイヤルアップ接続を受け付け、LANに参加させることができる。これらはユーザー認証やIPアドレスの発行など一連の機能の組み合わせによって実現される。
外出先などからRASサーバにアクセスすることによって、あたかもそのネットワークに直接つながっているかのようにファイルサーバや共有プリンタなどにアクセスすることができるようになる。
MS-CBCP (Microsoft Callback Control Protocol)
RASで標準的に用いられるコールバック制御プロトコル。サーバ側から利用者の番号にかけ直す「コールバック」接続を行うためのもの。事実上の業界標準としてWindows以外にも各社の通信機器などが実装している。
利用者側からコールバックの種類(指定した番号か、事前に登録した番号か)、コールバックしてほしい電話番号、切断後コールバックするまでの待機時間などを指定することができる。
(2018.12.20更新)