ワークアラウンド 【workaround】
概要
ワークアラウンド(workaround)とは、次善策、回避策、迂回措置、予備の手段、一時しのぎの対処法、などの意味を持つ英単語。何か問題が発生し、根本的な解決策をすぐには実施できない場合に、応急的に問題を回避したり悪影響を低減したりする措置のこと。例えば、停電で真っ暗になり作業が中断してしまった際に、復旧を待つ間、懐中電灯で最低限の明かりを得て作業を続行するといった対応策を指す。この場合、懐中電灯は停電という根本的な問題の改善には寄与しないが、暗くて見えないという状況は緩和される。
ITの分野では、ワークアラウンドとして実施した対応が根本的な解決策を妨げたり、問題解決後に予期しない別の問題を引き起こすことがあるため、どのようなワークアラウンドを行い、恒久対策後にどのように復帰するかよく確認しておく必要がある。
フォールバックとの違い
通常の手段や最善の手段が使えない状況に備え、あらかじめ用意しておいた次善の手段(や、それへの切り替え)のことを「フォールバック」(fallback)という。例えば、携帯電話端末が4G方式の基地局と交信できない場合に、通信速度は劣るがより広い範囲で使える3G方式に自動的に切り替えるといった対応を指す。
ワークアラウンドは状況に応じてその場で考え出される策や、一度限り行われる対応などを指すことが多い一方、フォールバックは最善策が使えない状況を事前に想定・予想でき、何度も繰り返し使われる代替策という意味合いが強い。停電時に懐中電灯を使うのも、頻繁に停電する電力事情の悪い場所であればフォールバックとして通常対応の一部とみなされることもありうる。
(2024.2.6更新)