MCM 【Mobile Content Management】モバイルコンテンツ管理

概要

MCM（Mobile Content Management）とは、業務で利用するスマートフォンなどの携帯情報端末で利用される業務上のデータや文書ファイルなどを統合的・効率的に管理する手法。また、それを実現するソフトウェアや情報システムなどのこと。

企業などの組織が従業員の端末を集中管理する手法の一つで、社員の私物の端末を業務で利用（BYOD）する際に、社外秘のデータをプライベートな領域から隔離し、送受信や保存の際に暗号化するなどして安全に利用できるようにする技術を意味することが多い。

具体的にはいくつかの方式があるが、有力なのは「クラウドストレージ型」あるいは「ファイル共有型」のシステムで、ネット上に携帯端末などからアクセスできる安全なストレージを設け、業務で利用するファイルなどを保存する方式である。専門の事業者がネットサービスとして提供しているものと、企業が専門のシステムを導入して社内に設置したサーバを運用する形態がある。

従業員にとっては一般のクラウドストレージサービスのように手軽にデータを持ち出せる一方、システム側では通信経路やファイル保存の暗号化、アクセス権の制御、閲覧・編集履歴の取得・保存などを行い、漏洩や不正利用を防止する。これにより、例えば私用の携帯端末からは機密文書を閲覧できるがダウンロードや編集はできない、といった制御を行うことができる。

これに対し、携帯端末の設定や機能などを集中的に管理すること、およびそのようなシステムを「MDM」（モバイルデバイス管理）、携帯端末のアプリケーションを集中的に管理すること、およびそのようなシステムを「MAM」（モバイルアプリケーション管理）という。

また、これらすべてを統合・発展させ、端末のハードウェアやシステム、アプリケーション、データを集中的に管理する手法および制御システムを「EMM」（Enterprise Mobility Management：エンタープライズモビリティ管理）という。

(2024.4.5更新)