FMEA 【Failure Mode and Effects Analysis】 故障モード影響解析

概要

FMEA(Failure Mode and Effects Analysis)とは、製品や工程の信頼性を高め不具合を減らすための解析手法の一つで、構成要素に起こりうるトラブルの様式(故障モード)を列挙し、発生頻度や影響の範囲、大きさなどを評価して致命的なものを未然に対策すること。

機械など複雑な機構にどのような故障が生じうるのか網羅的に検討するのは難しいが、構成要素に着目すると、長い部品が折れる、薄く平たい面が割れる、接触部が摩耗する、配線が断裂するなど、それぞれが機能不全に陥る現象を類型として挙げることができる。これを「故障モード」(failure mode)という。

FMEAではまず対象に含まれる故障モードを列挙し、その原因と影響を記述する。続いて、各故障モードについて、影響の厳しさ(severity)、発生頻度(probability)、検出可能性(detection)の3項目について格付け(例えば10段階評価)をう。この3つを総合(一般的には評点を掛け合わせる)して危険優先指数(RPN:Risk Priority Number)とし、高得点のものほどリスクが高いとみなして優先的に対策する。

FMEAは適用対象や段階に応じていくつかに分類される。設計段階で潜在的な問題を洗い出して改善するための「設計FMEA」(DFMEA:Design FMEA)、製造工程で起きるミスや失敗を低減するための「工程FMEA」(PFMEA:Process FMEA)、製品の構成要素の機能に着目してう「機能FEMA」(Functional FMEA)などである。

FMEAは1940年代に米軍が考案した手法で、その後産業界でも広く応用された。1985年には国際電気標準会議IEC)によってIEC 812として標準化(後にIEC 60812に移行)され、日本では2011年にJIS C 5750の一部として国内標準となった。

(2021.9.21更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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