ITサービスマネジメント 【ITSM】 IT Service Management

概要

ITサービスマネジメント(ITSM)とは、ITシステムの提供を利用者の目的遂行を支援する「ITサービス」と捉え、その提供や運用、管理、改善などを組織的にうこと。そのための体系化された仕組みを「ITサービスマネジメントシステム」(ITSMS)という。

企業などの組織が、従業員や顧客、取引先などのニーズや目的を満たすため、コンピュータなどの情報機器通信ネットワークソフトウェア、ネットサービスなどを組み合わせ、必要なときに必要なIT機能を提供可能な状態に維持する一連の活動を意味する。一般的には企業などのIT部門が従業員向けにITシステム運用する業務を指すことが多い。

ITサービスマネジメントに含まれる業務には、IT提供の戦略や計画の策定、設計実装や調達、運用開始や移行、運用保守、管理、改善や見直しなどのプロセスが含まれる。この一連の流れを一つのサイクルと捉え、循環的に繰り返すことで組織内のITサービス提供を持続・改善する。

特に重視されるのはITサービス運用プロセスで、利用者に対するサービスの中断に対応する「インシデント管理」、インシデントの原因を調査・排除する「問題管理」、サービスの構成要素の変更や更新を体系立ててう「変更管理」、サービスの構成要素の構成や設定、状態を把握する「構成管理」などの活動、ITに関する総合的な窓口となる「サービスデスク」といった要素で構成される。

標準規格

ITSMSについての標準規格としては、イギリス政府がIT運用の模範的な事例(ベストプラクティス)を調査して体系化した「ITIL」(IT Infrastructure Library)がよく知られる。初版は1989年に発行され、1995年に英国家規格「BS 15000」として標準化された。

これは2005年にISO/IECによって「ISO/IEC 20000」として国際標準となっており、日本では2007年にほぼ同じ内容が「JIS Q 20000」として国内標準化されている。国内ではこの規格に基づいて、JIPDEC(情報経済社会推進協会)が「ITSMS適合性評価制度」を運用している。

(2021.10.2更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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