フェイルバック【failback】フェールバック
概要

クラスタリングなどで冗長化されたシステム環境では、稼働系に障害が生じると待機系が処理を引き継いでサービスを継続する。この切り替えを「フェイルオーバー」(failover)という。システムの監視機能によって自動的に実施されるほか、管理者が計画的に手動で切り替える場合は「スイッチオーバー」(switchover)と呼ばれる。
フェイルバックはフェイルオーバーの後工程にあたり、元の稼働系の障害原因を取り除いて正常稼働できる状態が確認された後、システムに復帰させる。自動で行われる場合もあるが、業務への影響やデータ整合性を確認しながら管理者が手動で実施することも多い。
フェイルバックの際は、待機系の稼働中に更新されたデータを元のシステムへ同期する作業を伴う。この同期が不十分なまま切り替えるとデータの消失や不整合が生じるため、計画的な実施が求められる。また、復旧直後は障害が再発するリスクがあることから、一定期間は待機系での運用を継続する場合もある。運用形態によっては、元の稼働系へ戻さず、修復済みのシステムを新たな待機系として組み込む設計をとることもある。
日本語で「切り戻し」と呼ばれることもあるが、この語は文脈によってはシステムを新しいものに移行する際に問題が発生し、移行を中止して旧システムに戻すことを意味する場合もある。また、表記の似た語に「フォールバック」(fallback)があるが、これは問題が生じた際に性能や機能を制限した状態で稼働を維持すること、または不完全な代替手段に切り替えて運用を継続することを指す。復旧した元のシステムへ処理を戻すフェイルバックとは意味が異なる。
(2026.6.21更新)