フォローザサン【follow-the-sun】
フォローザサンとは?
時差の大きい世界の複数拠点間で業務を順次引き継ぐことで、夜勤を設けることなく24時間体制の業務継続を実現する運用方式。「太陽を追いかける」という意味の英語表現に由来する。

東から西へと太陽の動きに沿うように、アジア・欧州・北米など時差の大きい地域に拠点を配置し、各拠点が日中の通常勤務時間帯に業務を担当する。ある拠点の終業時刻が次の拠点の始業時刻と重なるよう設計することで、業務を途切れさせることなくリレー形式でつなぐ。
例えば、東京(UTC+9)・パリ(UTC+1)・デンバー(UTC-7)の3都市に拠点を置くと、東京の17時にパリは9時、パリの17時にデンバーは9時、デンバーの17時に東京は9時を迎える(いずれも冬時間)。この時差の連鎖により、組織全体として24時間の稼働状態を維持できる。拠点数は3か所が代表的だが、対象とするタイムゾーンや業務量に応じて増減する。
適用領域として、情報システムの運用・監視、障害対応、サービスデスク、顧客サポートなどがある。グローバルに利用者を持つ企業では、どの地域の利用者に対しても迅速な対応が可能となり、サービスの可用性向上にもつながる。ITサービス管理のベストプラクティス集であるITIL(IT Infrastructure Library)においても、グローバルなサービスデスク運営の手法として紹介されている。
運用にあたっては、拠点間の引き継ぎの質が全体の品質を左右する。担当者の交代のたびに情報の抜け漏れが生じると対応の遅延やミスを招くため、チケット管理システムやナレッジベースを整備し、進捗状況や対応履歴を共有する仕組みが求められる。言語や文化、法制度の異なる拠点を統一した基準で管理するための体制づくりや、夏時間の導入に伴う時差変動への対応も実務上の課題となる。近年ではクラウドサービスやコラボレーションツールの普及により、開発プロジェクトやセキュリティ監視(SOC)など、様々な分野での活用が進んでいる。
(2026.6.21更新)