切り戻し 【failback】 fallback / 切り戻す
概要
切り戻し(failback)とは、システムの稼働をある系統から別の系統に切り替えた後で、逆方向に切り替えなおして元の状態に戻すこと。「切り替え」や「切り離し」の逆の作業・処理という意味でこのように呼ばれる。冗長化されたシステムの切り戻し
二重化やクラスタ構成により冗長化されたシステムで、障害により停止した系を修理・交換し、他の系から処理を引き継いで稼働を再開することを切り戻しという。
冗長化されたシステムで稼働系に障害が発生すると、これを切り離して残りの稼働系で処理を続行(アクティブ/アクティブ構成の場合)したり、即座に待機系が稼働を開始して処理を引き継ぐ(アクティブ/パッシブ構成の場合)「フェイルオーバー」(failover)が行われ、システム全体が停止することを防ぐ。
その後、障害から復旧したシステムを稼働系に戻し、元通りに処理を再開する作業のことを切り戻しという。フェイルオーバーの逆であるため「フェイルバック」(failback)とも呼ばれる。
システム移行などの切り戻し
古いシステムから新しいシステムへの移行などで、切り替え作業中に重大なトラブルが発生して新しい系の稼働が見込めなくなったとき、切り替えを中止して元の状態に戻すことを切り戻しという。
切り戻し後は、移行を妨げる不具合が解消され再び切り替えの準備が整うまで旧システムでの運用が継続される。この状態は新システムで期待された機能や性能を制限していると見ることもできるため、一種の「フォールバック」(fallback:縮退運転)であるとみなされる場合もある。
(2020.3.13更新)