予防保守 【preventive maintenance】 予防保全
概要
予防保守(preventive maintenance)とは、機械やソフトウェア、システムの保守作業の種類の一つで、不具合の顕在化や障害の発生を未然に防ぐことを主眼に行われるもの。機器の場合、定期的に点検を行い、消耗が起きやすい機器や部品は規定の利用期間や利用回数が経過した時点で正常に稼働していても交換するなどの対応を行う。ソフトウェアの場合、潜在的な不具合を見つけ、障害として顕在化する前に修正することなどを意味する。
交換などのメンテナンスを行う基準として、導入からの経過時間や累積稼働時間などを基準とする方式を「時間基準保全」、装置や部品の劣化や摩耗などの度合い、データ量や累積伝送量など何らかの使用量を基準とする方式を「状態基準保全」という。
予防保守は量的な基準に基づいて一定の間隔で計画的に実施されるが、機器の種類によっては装置の状態を監視し、量的な基準ではなく故障の予兆となる現象や状態を検知して交換などのタイミングを判断する「予知保全」(predictive maintenance)が行われる場合もある。
保守工程は予防保守以外にも様々な分類があり、発見された問題を解決するために行う「是正保守」、利用環境の変化に対応するために行う「適応保守」、性能や保守性を改善するために行われる「完全化保守」、緊急の事態に対応するために行う「緊急保守」などがある。
(2022.1.12更新)