ファシリティマネジメント【facility management】FM
概要

「ファシリティ」(facility)とは施設・設備を意味する英単語で、ファシリティマネジメントは従来の「施設管理」よりも包括的な概念とされる。従来の施設管理が建物の維持・修繕を中心とする受動的な対応であったのに対し、ファシリティマネジメントは経営戦略の一環として施設・設備の全体最適を追求する継続的な活動である。
活動の範囲は施設・設備のライフサイクル全体に及ぶ。必要な施設・設備の構想・選定に始まり、購入・建設か賃貸・リースかといった調達方法の選択、稼働後の維持・運用、移転・統廃合・新設などによる改善、さらには施設の売却や退去、設備の廃棄までの一連の業務が含まれる。
対象はハードウェア的な側面とソフトウェア的な側面に大別される。前者は建物そのものや、空調や照明、防災設備、通信ネットワークなどの設備機器の維持・保守であり、後者は清掃や警備、受付といった施設運営に関わるサービスの管理である。稼働コストの最適化や予防保全、エネルギー消費の削減なども重要な管理項目となる。
近年では、省エネルギー化や環境負荷低減への対応、BCP(事業継続計画)の策定など、企業のリスクマネジメントや社会的責任に関わる領域としても位置付けられている。多様な働き方への対応としてオフィスの縮小・再編やコワーキングスペースの活用といった施設戦略の見直しも進む。データセンターやクラウド環境の普及といったIT環境の大きな変化に伴い、物理的なオフィス空間の効率化とITインフラの最適配置を一体的に進める例も増えている。コンピュータ支援による設備管理システム(CAFM:Computer-Aided Facility Management)や建物情報モデル(BIM:Building Information Modeling)を活用したデジタル統合管理の導入も拡大している。