保守 【maintenance】 メンテナンス / メンテ

概要

保守(maintenance)とは、人工物が正常な状態を維持できるように手入れすること。点検、修理、整備、交換、補充などの作業が含まれる。

IT分野では、利用に供された機器やシステムの状態を確認し、古くなった部品や装置の入れ替え、消耗品の補充、故障した機器の修理や新品への交換、蓄積されたデータの整理やバックアップソフトウェアの修正や改良などを行う工程を保守と呼ぶことが多い。

コンピュータ情報機器は購入から一定期間の保証期間内は無償で保守サービスを受けられることが多い。企業向けなどの製品では保証期間の終了後、有償で修理や点検、消耗品の補充などを受ける保守契約が提供されることが多い。長期的な契約を結ばず、故障などの都度、販売元に代金を支払って保守を受ける場合もあり、「スポット保守」「パーコール保守」などと呼ばれる。

どこで作業を行うかで分類する場合もあり、作業員が現場に出向いて行う保守作業を「オンサイト保守」、機器をメーカーに送付して修理・交換した製品が送り返されてくる方式を「センドバック保守」、システムソフトウェアなどを通信回線を通じて遠隔から操作して行う保守作業を「リモート保守」という。

ソフトウェア保守

ソフトウェアの場合は、一旦完成して利用に供されたソフトウェアプログラムコードを改良・改修していくことを意味する。発見されたバグ不具合を修正したり、効率の良いコードに書き換えて性能を向上させたりする作業が含まれる。

JIS X 0161規格ではソフトウェアシステムに対する保守を、発見された問題を解決する「是正保守」、潜在的な不具合の原因を顕在化する前に解決する「予防保守」、利用環境の変化に対応させる「適応保守」、性能や保守性を改善する「完全化保守」の4つの類型に分類している。是正保守のうち計画的な修正ではなく脆弱性対応など緊急に行われるものを「緊急保守」として区別する場合もある。

(2022.1.12更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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