フォールトマスキング【fault masking】

フォールトマスキングとは?

システムや装置の信頼性についての考え方の一つで、障害が発生しても外部に影響が伝播しないような仕組みにすること。
フォールトマスキングのイメージ画像

コンピュータや通信機器では、ハードウェア故障やソフトウェアの不具合、外乱による一時的な誤りなどが避けられない。フォールトマスキングは、これらの異常を検出して停止するのではなく、異常を含む処理結果を内部で打ち消し、利用者には正常な動作として見せることを目的とする。

代表的な実現方法として、冗長化による多数決論理がある。例えば、同一の処理を3系統で並列実行し、その出力を多数決で判定する「三重系冗長」では、1系統が誤った結果を出力しても残る2系統の一致した結果が採用されるため、外部からは正常な出力に見える。航空機の飛行制御システムや原子力発電所の制御装置など、誤動作が重大な結果をもたらす分野で広く採用されている。

ソフトウェアの領域では、「Nバージョンプログラミング」(N-version programmingと呼ばれる手法も用いられる。これは同じ仕様に基づいて独立したチームが複数のプログラムを別々に開発し、それらの出力を照合して多数決を取るものである。各版が同一の設計ミスを犯す可能性を低減できるため、ハードウェア障害だけでなくソフトウェアの設計欠陥にも対処できる。

フォールトトレランスと同様に、障害が起きてもサービスを継続するための手段の一つとして用いられるが、再試行や待機系への切替えのように動作の変化を伴う方法とは異なり、利用者に処理の切替えを意識させないまま結果を維持する点が特徴的である。

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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