読み方 : てきおうほしゅ
適応保守【adaptive maintenance】
概要
適応保守とは、ソフトウェアやシステムの保守作業の区分の一つで、運用開始後に生じる外部環境の変化に合わせてプログラムの修正や調整を行い、継続的な稼働を維持するために実施されるもの。

製品が利用者に引き渡され稼働を開始した後、動作基盤となるオペレーティングシステム(OS)やミドルウェア、ライブラリが更新されて仕様が変わった場合や、連携する外部サービスのAPIや通信プロトコルが変更された場合、あるいは法令・制度の改正により計算ロジックやデータ形式の修正が必要になった場合などに実施される。
製品そのものに不具合がなくても、周囲の環境が変化すれば正常な動作が維持できなくなることがある。適応保守はこうした外部依存関係の変化へ追随するために行われる。システムの機能を強化するのではなく、変化する環境との互換性を保つことに主眼が置かれる。
ソフトウェア保守の分類はISO/IEC 14764などの国際規格でも整理されており、適応保守はその中の一区分として定義されている。他の区分としては、バグや障害への対処を目的とする「是正保守」、潜在的な問題を事前に取り除く「予防保守」、性能向上や機能追加・操作性の改善など製品の完成度を高めることを目的とする「完全化保守」がある。
クラウドサービスの普及やオープンソースソフトウェアの活発な更新サイクルにより、外部環境の変化は従来より頻繁かつ急速に起こるようになっている。また、ハードウェアやソフトウェアのサポート終了(EOL)に伴い、新しいプラットフォームへ移行させる作業も適応保守の一環として行われる。対応を怠ると、環境の不整合によるシステム停止やセキュリティ上の脆弱性につながるリスクがある。
(2026.6.22更新)