適応保守 【adaptive maintenance】

概要

適応保守(adaptive maintenance)とは、機械やソフトウェア、システムの保守作業の種類の一つで、使用開始時と異なる新しい環境に適合させることを主眼に行われるもの。

製品が利用者に引き渡され、稼働を開始した後に、製品を取り巻く環境に変化が起こり、これに適応させるために機能の追加や修正などが必要な場合に行われる保守作業である。

運用基盤のオペレーティングシステム(OS)やミドルウェア、ライブラリなどが更新されて仕様が変更された場合や、連携している外部のネットサービスの仕様が更新された場合、外部とやり取りするデータ形式に変更が必要になった場合、法律や制度が改正されて対応が必要になった場合などに行われる。

なお、利用環境への適応ではなく性能の向上や機能に追加、使い勝手や保守性の改善など、製品を改善し完成度を高める目的で行われる保守作業は「完全化保守」という。保守作業の分類としては他に、不具合への対応や問題の解消のために行われる「予防保守」「是正保守」「緊急保守」などもある。

(2023.11.2更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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