DRP 【Disaster Recovery Plan】 ディザスタリカバリプラン / 災害復旧計画

概要

DRP(Disaster Recovery Plan)とは、情報システムが自然災害などで深刻な被害を受けたときに、損害を軽減したり、機能を維持あるいは回復復旧するための事前計画。

地震や風水害などの自然災害、事故や停電、火災、テロ、サイバー攻撃、暴動、政変など、システムの正常な運用を脅かす何らかの事態が生じた際に、システムの停止による損失を最小限に抑える様々な手段や手順を事前に計画し、文書などの形でまとめたものを指す。

対策の内容としては、施設や什器の耐震性の向上、停電対策といった被害を軽減するための措置と、被災した施設や設備を復旧するための措置、システムの機能を別の設備で代替して運用を維持する措置などに分かれる。システムの運用維持の観点からは特に機能の代替措置が重視される。

例えば、主要拠点から地理的に離れた災害対策拠点(DRサイト)を用意し、定期的にデータバックアップしたり、システム運用を肩代わりできる機材や人員を手配しておく対策が必要となる。計画書の作成や訓練だけでなく、こうした施設や設備の手配、運用など事前の準備も計画の一環としてわれる。

なお、事業の継続を脅かす事態への対処やそのための準備、環境整備などの計画を「BCP」(Business Continuity Plan事業継続計画)という。DRPは直接的な復旧作業を対象とするが、BCPは復旧後の事業や業務の継続、正常な状態への移行までを含む総合的な計画となる。DRPはBCPの一部として策定されることが多い。

(2024.7.20更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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