可用性 【availability】 アベイラビリティ

概要

可用性(availability)とは、情報などにアクセスできる状態、システムなどが使用できる状態が維持されていること。また、その度合い。利用者が必要なときに必要な資源をすぐに利用できる状態を指す。

可用性の高さは、使用可能であるべき時間のうち実際に使用可能であった時間の割合(稼働率)で示されることが多い。例えば、24時間365日の稼働が求められるシステムの稼働率が99.9999%であるとすると、年間平均で約31.5秒間使用不能な時間が生じることを意味する。

重要な業務システムなどに用いるため、装置の二重化や複数のコンピュータによるクラスタリングなどの措置を講じ、装置の故障やメンテナンスがあってもシステムが提供する機能やサービスが停止・中断しない状態を「高可用性」(HA:High Availability)という。

似た概念に「信頼性」(reliablity)があるが、これは機器などの故障、破損、障害の起きにくさ、停止しにくさを指す。定量的には、単位期間あたりに故障が起きる確率である故障率や、故障から次の故障までの平均期間である平均故障間隔MTBF)などで表される。

ある一つの装置などについては可用性の高さと信頼性の高さは一致することもあるが、複雑・大規模なシステムでは、装置やシステムを複数用意して一つが停止しても全体が停止しないようにすることで、低い信頼性の要素を組み合わせて高い可用性を確保することもできる。

情報システムに求められる特性として、可用性、信頼性保守性(整備や修理のしやすさ)の3つの頭文字を繋げた「RAS」(Reliability Availability Serviceability)や、さらに完全性Integrity)、機密性(Security)の2つを追加した「RASIS」の概念がよく用いられる。

(2023.10.13更新)

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