読み方 : ジャストインタイムせいさんほうしき

ジャストインタイム生産方式【just-in-time manufacturing】かんばん方式/JIT生産方式

概要

ジャストインタイム生産方式とは、工業製品の生産方式の一つで、必要なものを必要なとき必要なだけ生産する方式のこと。工程間に滞留する仕掛品や在庫を削減することで生産コストを削減して効率的に生産することが可能となる。
ジャストインタイム生産方式のイメージ画像

後工程が消費した分だけ前工程に生産・加工を要求することを原則とする方式で、工場内での工程間の部品や仕掛品の受発注のために「かんばん」(看板)と呼ばれる帳票を受け渡していたことから「かんばん方式」とも呼ばれる。

在庫や仕掛品を極力持たないようにするため、途中の工程や外部との部材の配送などにトラブルが起きるとすぐに全体の操業が停止してしまうリスクもあるが、これは工程上の問題があると早期に顕在化するということでもあるため、生産工程の改善・改良を進めやすいとも言われる。

1938年に当時のトヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)創業者の豊田喜一郎氏が新工場操業に際して提唱した方式が起源とされ、現代では「見える化」「カイゼン活動」などと共にトヨタ生産方式を支える代表的な手法の一つとして広く知られている。

また、「必要なときに必要なだけ」という発想は工業製品の生産効率化という分野に留まらず、様々なビジネス手法に応用されており、1980年代に体系化された「リーン生産方式」のように「リーン」(lean:引き締まった、無駄のない)という用語で表されることが多い。

(2023.8.17更新)

他の用語辞典による「ジャストインタイム生産方式」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「ジャストインタイム生産方式」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
令5 問26】 組立製造販売業A社では経営効率化の戦略として、部品在庫を極限まで削減するためにかんばん方式を導入することにした。この戦略実現のために、A社が在庫管理システムとオンラインで連携させる情報システムとして、最も適切なものはどれか。
令3 問35】 ある製造業では、後工程から前工程への生産指示や、前工程から後工程への部品を引き渡す際の納品書として、部品の品番などを記録した電子式タグを用いる生産方式を採用している。
令3 問35】 ある製造業では、後工程から前工程への生産指示や、前工程から後工程への部品を引き渡す際の納品書として、部品の品番などを記録した電子式タグを用いる生産方式を採用している。
平30秋 問23】 Just In Timeの導入によって解決が期待できる課題として、適切なものはどれか。
平25秋 問25】 工程間の仕掛品や在庫を削減するために、必要なものを必要なときに必要な数量だけ後工程に供給することを目的として、全ての工程が後工程からの指示や要求に従って生産する方式はどれか。
平21春 問28】 ジャストインタイム生産方式を説明したものはどれか。
▼ 基本情報技術者試験
令2修12 問70】 “かんばん方式” を説明したものはどれか。
令1秋 問70】 “かんばん方式” を説明したものはどれか。
平30修6 問72】 “かんばん方式” を説明したものはどれか。
平29春 問72】 “かんばん方式” を説明したものはどれか。
平22修7 問70】 “カンバン方式” を説明したものはどれか。