フラッディング 【flooding】 フラッド / flood
概要
フラッディング(flooding)とは、洪水、氾濫などの意味を持つ英単語。ITの分野では、ネットワーク機器のデータ転送方式の一種や、システムに許容量を超えるデータや処理要求が届き麻痺状態に陥る現象などをこのように呼ぶ。ネットワークスイッチのフラッディング
イーサネット(Ethernet)の集線装置の一種であるネットワークスイッチ(スイッチングハブ)では、あるポートから受信したフレームの宛先が分からず全ポートに転送する挙動をフラッディングという。
自らのMACアドレステーブルに載っていないアドレス宛てのフレームを受信した際、転送先で(多段接続先のスイッチなどにより)適切に処理されることを期待して行われる。受信した端末は自分宛てではなければフラッディングされたフレームを破棄する。
一方、全ポート宛てを意味する特殊なブロードキャストアドレスへ向けて送信されたフレームを全ポートに転送する挙動は「ブロードキャスティング」(broadcasting)という。
フラッディング攻撃 (flooding attack)
ネットワークに接続されたシステムや機器に限界を超えるデータや要求が殺到し、動作に支障をきたすことをフラッディングという。特に、外部から大量のデータを送りつけて人為的に引き起こすことは「フラッディング攻撃」(flooding attack)という。
システムの想定限界を超える大量のデータや処理要求が届くことにより発生し、性能が極端に停止したり機能を停止する(DoS攻撃)ことがある。また、ソフトウェアの設計に潜在的な不具合が存在する場合、溢れたデータによって意図しない挙動が引き起こされ、攻撃者がシステムを不正に操作することを可能にしてしまう場合もある。
(2019.12.3更新)