エスクロー 【escrow】 エスクロウ
概要
エスクロー(escrow)とは、第三者預託という意味の英単語。二者の契約について、一方から他方への義務の履行が確認されるまで、対価として引き渡される金銭や証書、物品などを第三者が預かる仕組みのこと。例えば、物品の売買について二者が合意した際に、まず買い手が商品の代金を仲介者に預け、これを確認したら売り手は商品を引き渡す。買い手は商品を受け取り、確かに発注したとおりであると確認できれば、仲介者に連絡して代金を売り手に引き渡す。
これにより、「納品したのに代金が支払われない」あるいは「代金を支払ったのに納品されない」といったトラブルを未然に防ぐことができる。仲介者は手数料として代金の一定の割合か固定額を受け取る。
古くから証券や不動産、企業間取引などの分野で金融サービスの一種として存在した。インターネットを通じた取引が活発化するに連れ、オンラインモール事業者が店子の店舗と消費者の間で提供したり、ネットオークションやフリマアプリなど個人間の商取引を仲介する事業者が提供する例が増えている。
日本では、2009年制定の資金決済法により、事業会社が届け出により100万円以下の決済を取り次ぐ資金移動業者になることができるようになった。なお、売買など金銭の受け渡しだけでなく、二者間の交換や契約の履行を第三者が仲介する様々な仕組みやサービスに「エスクロー」という名称が用いられることがある。
(2025.8.22更新)