オーバーライン 【overline】 上線
横書きの文章中で強調などのために引くことがあるが、傍点や下線の方が一般的で用例は少ない。数学では、論理否定や補集合、平均値、線分、循環小数、複素共役、閉包などを表す記号として頻繁に用いられる。「バー」と読むことが多い。
文字コードでは、ASCIIの126番(16進数7E)がオーバーラインと定義されており、これを各国語に拡張したISO/IEC 646ではチルダかオーバーラインを選択できたため、発音記号などで必要としたヨーロッパの言語などではチルダが、日本語(JIS X 0201)ではオーバーラインが選択された。
しかし、国内のシステムの多くは126番の文字を発音記号(ダイアクリティカルマーク)のように上付きになったチルダとして表示したため、規格上の名称とは異なりチルダであると説明されるのが一般的になっている。
日本語文字コードではJIS X 0208で全角オーバーライン「 ̄」も定義されている。国際的な標準文字コードのUnicodeでは、これに由来するU+202E「‾」(OVERLINE)と、U+FFE3「 ̄」(FULLWIDTH MACRON:全角マクロン)、合字用のU+0305「̅」(COMBINING OVERLINE)のよく似た3つの文字が収録されている。
(2023.10.31更新)