オーバーレイ 【overlay】
概要
オーバーレイ(overlay)とは、重ねる(もの)、被せる(もの)、覆う(もの)、圧倒する、などの意味を持つ英単語。何かの上(表面)に別のものを重ね合わせて一つにする、何かを土台にして別のものを覆い被せて使う(また、そのように上に重ねたり被せたりするもの)という意味合いで用いられる。オーバーレイ表示
画像や画面の上に別のものを重ねて表示する手法を「オーバーレイ表示」という。例えば、画像編集ソフトで複数の層(レイヤ)を重ねて表示することや、パソコンの操作画面の一部にテレビ放送など外部の機器や入力元からの映像を重ねて表示する機能、ソフトウェアの操作画面に複数の要素や領域などを一部が重なりあうように配置することなどを指す。
オーバーレイ印刷
プリンタや印刷ソフトなどの機能の一つで、背景や項目の枠などが記入された帳票や雛形などを用意しておき、個別の印刷内容を与えると自動的に重ね合わせて印刷する機能を「オーバーレイ印刷」「オーバーレイ印字」「フォームオーバーレイ」などという。伝票や案内状など、同じ形式で内容が異なる複数(多数)の印刷物を作成する際、一枚ずつ個別に内容を入れ込む作業を省略することができる。
オーバーレイネットワーク
ある通信ネットワークの上に、そのネットワークの(物理的な)構成や構造とは独立に設けられた別のネットワークを「オーバーレイネットワーク」という。
単にオーバーレイネットワークと言った場合は、P2PネットワークやIP電話網のようにインターネット(などのIPネットワーク)上に築かれた各アプリケーション固有のネットワークを指すことが多い。一方、オーバーレイを相対的な関係性と捉えれば、通信事業者の物理的な回線網の上に築かれたインターネットや、インターネットを経由して組織内の閉じたネットワークを構築するインターネットVPNなどもオーバーレイネットワークの一種とみなすことができる。
メモリオーバーレイ
コンピュータプログラムのメモリ管理方式で、実行するプログラムの容量がメインメモリに入りきらないほど大きいとき、これを細かい部分に分割しておいて、必要な部分だけをメモリ上に展開して実行する方式をオーバーレイ実行(あるいはメモリオーバーレイ)という。
プログラムの入れ替えなどはプログラム自身が制御する必要があるため、通常のプログラムよりも煩雑になる。現在ではOSが仮想メモリなどの機能を提供してくれるため、プログラム自身がオーバーレイ実行をサポートする必要はなくなってきている。