オフコン 【オフィスコンピュータ】

概要

オフコン(オフィスコンピュータ)とは、1960年代から90年代頃まで存在した日本のコンピュータ製品のカテゴリーの一つで、企業などの事務処理用途に特化した中型コンピュータ。
オフコンのイメージ画像

解説 日本独自に発達した製品カテゴリーで、大企業などに導入された大型汎用機(メインフレーム)より小さく安価で、事務処理向けに用途を絞った製品群をオフコンと呼んだ。メインフレームほどの規模のシステムが必要ない大企業の一部門や中小企業などに導入され、財務管理や会計処理、在庫管理、給与計算、伝票発行などに用いられた。

同一のメーカーが一貫して独自仕様のコンピュータ本体や周辺機器、オペレーティングシステム(OS)、ソフトウェア開発環境、パッケージ型のアプリケーションなどを開発・販売していた。システム開発業者がユーザー企業の業務に適した専用のアプリケーションソフトを個別に開発し、機器類と共にシステムとして導入するのが一般的だった。

オフコンに分類される製品シリーズとしては、NECのNEACシステムおよびNECシステム、富士通のFACOM Kシリーズ、日立製作所のHITAC Lシリーズ、日本IBMのAS/400シリーズ、三菱電機のMELCOM 80シリーズなどがよく知られる。

海外の中型コンピュータ

「オフコン」という名称や製品カテゴリーは日本独特のもので、欧米などでは同様の中規模のコンピュータシステムを「ミニコン」(mini computerミニコンピュータ)とか「ミドルレンジコンピュータ」(middle-range computer)、「ミッドレンジコンピュータ」(mid-range computer)と呼んでいた。

これらは事務処理用途に特化したものではなく汎用のコンピュータ製品で、事務処理だけでなく科学技術計算などにも用いられた。ただし、中型コンピュータのうち、事務処理向けに開発・販売された製品群は「スモールビジネスコンピュータ」(SBC:Small Business Computer)と呼ばれることもあり、これは日本のオフコンに近い製品カテゴリーだった。

(2025.9.7更新)

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