EDP 【Electronic Data Processing】 電子データ処理
概要
EDP(Electronic Data Processing)とは、人手で行なってきた事務作業をコンピュータによる電子的なデータ処理で置き換えたもの。現代では、会計処理をコンピュータなどで電子的に行うことを指す。1950年代に実用的なコンピュータシステムが製品化され、企業や行政機関などの事務処理の効率化、省力化へ応用され始めた。当時のコンピュータは一台で一室を占拠するような大型の製品で、現代でいうメインフレームに相当する。
大企業の会計部門や金融機関などでは、それまで手作業の人海戦術で行なってきた膨大な計算、集計などをコンピュータに行わせるようになった。このような会計事務の電子化をEDPと呼び、そのための情報システムを「EDPS」(EDPシステム)と呼んだ。
EDPの導入により、手計算に伴う計算ミスや記入ミスなどが減って正確性が向上し、短時間で大量の計算を実行できるようになった。単純作業に従事する人員を削減して効率化、低コスト化が進み、会計部門のスタッフは財務戦略の検討など高度な業務に集中できるようになった。
次第に、単なる定形作業の自動化だけでなく、入力された情報を蓄積、加工して組織内の意思決定や戦略策定に役立てることが構想されようになった。1960年代から80年代にかけて「MIS」(経営情報システム)、「DSS」(意思決定支援システム)、「SIS」(戦略情報システム)などへ発展していった。
なお、現代でも、給与計算や売上集計など定型的な計算や集計などの作業を表計算ソフトや会計システムなどで処理することを「EDP会計」のように呼ぶことがある。そのためにかかった費用を「EDP費」、会計システムに対する監査を「EDP監査」という。
(2024.3.2更新)