ダウンサイジング 【downsizing】
概要
ダウンサイジング(downsizing)とは、機器やシステムなどを性能や機能を保ったまま縮小、小型化、小規模化すること。ITの分野では、情報システムを大型コンピュータから複数の小型コンピュータの組み合わせによって置き換えることを指すことが多い。IT業界で単にダウンサイジングといった場合、1990年代に流行した、大型機による単一システムをUNIXサーバやパソコンなどの小型機による並列・分散システムに置き換える動きを指す場合が多い。
当時はメインフレームやミニコン、オフコンなど、大手コンピュータメーカーが一社でハードウェアからアプリケーションソフトまで提供する大型コンピュータで集中的に運用する情報システムが多かったが、メーカーによる囲い込みやその結果の高コスト、柔軟性や拡張性の欠如が問題となっていた。
そこで、当時台頭し始めたパソコンや、UNIX系OSを採用したワークステーションやサーバなどの小型コンピュータをネットワークを通じて繋ぎ合わせ、システムや機能を分散配置する構築手法が広まった。これを用いて従来の大型機中心のシステムから小規模分散型のシステムへ移行することをダウンサイジングと呼んだ。
一時は大型機を恐竜に例え、「進化に適応できずに滅びる」といった言説までもてはやされたが、小型機の信頼性やセキュリティの確保が思うように進まなかったり、小規模システムの乱立や台数の増大により却って総コストが増大する事例が見られるようになった。2000年代に入ると適材適所で使い分けるべきとする見解が広まるようになり、メインフレームシステムも現在まで一定の地位を保っている。
(2019.1.21更新)