オープン化
IT産業では1980年代頃まで、機器や部品、ソフトウェアなどの仕様や設計、構成要素間の接続、連携、通信などの方式や規約(インターフェース)は公開したり他社と共通化せず、開発元メーカーや個別に契約した提携先だけが対応製品を作ることができるのが一般的だった。これを「プロプライエタリ」(proprietary:私有の、専有の)という。
これに対し、業界団体や標準化団体が標準規格を策定し、これに基づいて製品を設計・製造したり、既存の技術や製品の仕様を公開し、対応製品や互換製品を作れるようにする動きが広まった。この流れをオープン化という。
これにより、接続仕様などが共通化された機器や部品、ソフトウェアを様々なメーカーが開発・販売できるようになり、それらを自由に組み合わせて用途や目的に適したシステムを構成できるようになった。パソコンのようにオープン化された仕様に基づく製品が主流となり、プロプライエタリな製品がニッチ化した市場もある。
業務用システムのオープン化
狭義には、企業や官庁などが情報システムを導入・更新する際、標準規格や業界標準に則り複数のメーカーの製品を組み合わせて構成することができる「オープンシステム」(オープン系システム)を採用することをオープン化という。
1980年代頃まで、大規模な情報システムのほとんどはメーカーごとに非公開の固有の仕様を持つメインフレーム(大型汎用機)を中核とする「汎用系システム」が一般的だった。
一方、UNIX系OSで稼働するサーバやワークステーションなど、標準規格や公開仕様に基づく製品を組み合わせて構築したシステムを「オープン系」と呼び、従来型のシステムをこれに置き換える動きをオープン化と呼んだ。
(2020.3.21更新)
関連用語
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 富山県富山市「富山市高度情報化ビジョン」(PDFファイル)にて引用 (2019年3月)