読み方 : エスオーアール

SoR【System of Record】

概要

SoRとは情報システムをその目的によって分類する際の区分の一つで、業務データの記録や蓄積を主目的とするシステムのこと。会計や人事、受発注管理などの基幹業務システムがその典型であり、企業や官公庁が業務を遂行する上での根幹をなすシステムである。
SoRのイメージ画像

人間の活動に伴って日々発生する大量の取引データや処理結果を、欠損や矛盾なく継続的に記録・蓄積し、必要に応じて集計や計算、加工を施した上で、帳票や画面などの形式で出力することを主な任務とする。1950年代にコンピュータの商用利用が始まって以降、企業や官公庁が業務の遂行や効率化のために構築・運用してきた情報システムの大半がこの類型に属する。

データの正確性や整合性、一貫性が強く求められるため、冗長構成などでシステムの可用性耐障害性を高めたり、トランザクション処理などで処理の確実性を高めたり、データや処理を侵害から守る高い水準のセキュリティを確保する。ERPをはじめとする業務システムの多くがSoRとして設計されており、一度稼働すると仕様変更やシステム刷新には慎重な手続きと相応のコストを要することが多い。

これに対し、人間と他の人間や組織、物事との結びつきを生み出し、あるいは維持することを目的とする情報システムは「SoE」(System of Engagement)と呼ばれる。SNSやモバイルアプリなど1990年代以降に普及したシステムがこれに当たり、利用者体験や継続的な関与を重視する点でSoRとは設計思想が異なる。近年では、蓄積されたデータの分析を通じて意思決定に資する洞察を引き出すことを目的とする「SoI」(System of Insight)という区分も定着しつつある。

SoR、SoESoIはそれぞれ独立して運用されるだけでなく、SoEで得られた顧客の行動をSoRに記録し、SoRに蓄積された過去データSoIで分析するといった連携も行われる。SoEが迅速な機能変更や使いやすさを追求するのに対し、SoRは安定性と信頼性の確保を最優先とするなど、目的に応じてシステムの特性にも差異が生まれる。

(2026.6.23更新)
 

他の辞典等による「SoR」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「SoR」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
令6】 顧客との個々のつながりを意識して情報を頻繁に更新するSNSなどのシステムとは異なり、会計システムのように高い信頼性と安定稼働が要求される社内情報を扱うシステムの概念を示す用語として、最も適切なものはどれか。
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。