分散処理 【distributed processing】 分散システム / distributed system / 分散コンピューティング / distributed computing

概要

分散処理(distributed processing)とは、コンピュータう処理や取り扱うデータなどを分割し、複数のコンピュータシステムに割り振ってそれぞれが独立に実行すること。HPCクラスタグリッドコンピューティングなどの方式が含まれる。

複数の実行主体で矛盾なく処理を分担できるよう特別に設計されたソフトウェアを用い、処理やデータを細かい単位で複数のシステムに割り当てて同時並行に進める。単体では平凡な性能のコンピュータでも、多数を連携させて分散することにより全体としては巨大な演算性能を得ることができる。

一か所の施設などに同じ機種やOSで稼働するコンピュータを集め、ネットワークで接続して連携させたものを「クラスタシステム」あるいは「コンピュータクラスタ」と呼び(性能目的の場合は特にHPCクラスタと呼ばれる)、インターネットなどを通じて広域的に、あるいは様々な機種のコンピュータを束ねて処理を依頼する方式を「グリッドコンピューティング」(grid computing)という。

一方、一台のコンピュータに複数のマイクロプロセッサCPU/MPU)を搭載(あるいは一つのプロセッサに複数のプロセッサコアを内蔵)し、複数のプログラムデータを同時に処理することは「マルチプロセッシング」(multiprocessing)あるいは「並列処理」(parallel processing/並列コンピューティング/parallel computing)という。

個々の処理やデータの関連性や相互依存性が強く、ノード間のデータ送受信や全体の調整・統合処理が頻繁に必要となる科学技術シミュレーションなどは並列処理が向いており、相互の関連性が低くノード間の緊密な連携が不要な暗号解読などの処理には分散処理が向いている。

(2018.10.26更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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