読み方 : すいちょくぶんさんシステム
垂直分散システム【vertical distribution】垂直機能分散システム
概要
垂直分散システムとは、複数の機器やシステムで処理を分担する分散処理システムのうち、各システム間に処理の前後関係や主従関係があり、全体が階層構造をなして連携し、一つのシステムとして機能するもの。

全体として一つの機能を構成するシステムを、処理の前後関係や機能の種別に応じて階層状に分割し、それぞれを専用の機器やシステムが担当する方式である。あるシステムの出力が次のシステムの入力となる形で処理が順に受け渡され、段階的に機能が積み上がる構造となる。
代表的な構成がクライアントサーバシステムである。利用者が操作する「クライアント」(client)と、情報や機能を提供するサーバ(server)に役割を分離し、両者が連携して処理を完結させる。サーバ側を多層化した「3層アーキテクチャ」も広く普及しており、Webサーバがリクエストを受け付け、アプリケーションサーバがビジネスロジックを処理し、データベースサーバがデータの永続化を担う。
機能ごとに機器を分離することで、開発や運用、スケールアウトを層単位で独立して行える利点がある。一方、処理が複数の階層を順に経由するため、特定の層が停止するとシステム全体の機能が停止する事態に繋がりやすく、階層間の通信遅延が全体の処理速度に影響を及ぼすといった性質もある。
対置される概念が「水平分散システム」であり、対等な立場のシステム間で処理を分散する。水平分散システムはさらに、同等な処理を複数のノードに振り分けて負荷を平準化する「水平負荷分散システム」と、機能や用途ごとに処理を専用サーバへ割り当てる「水平機能分散システム」に分かれる。垂直分散システムと水平分散システムは排他的な関係ではなく、実際のシステムでは両者を組み合わせた構成も多い。
(2026.6.17更新)