垂直分散システム 【vertical distribution】 垂直機能分散システム

概要

垂直分散システム(vertical distribution)とは、複数の機器やシステムで処理を分担する分散処理システムのうち、各システム間で処理の前後関係や主従関係が存在し、全体が連携して一つのシステムとして機能するもの。

全体として一つの機能を発揮するシステムを、機能や処理の前後関係などに応じて階層状に分割し、それぞれを担当する機器やシステムを置いて処理する方式。各要素は機能や役割が異なるため負荷を分散する効用はない(垂直負荷分散システムは存在しない)。

コンピュータシステムの構成を、利用者が操作するクライアントと機能を提供するサーバに分けたクライアントサーバシステムや、サーバの構成をWebサーバアプリケーションサーバデータベースサーバなど階層的に分割したシステムなどがこれに該当する。

これに対し、対等なシステム間で処理を分散する方式を「水平分散システム」という。同等なシステム間で負荷を分散する「水平負荷分散システム」と、機能や用途ごとに処理を分担する「水平機能分散システム」に分かれる。

(2023.3.22更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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