物理サーバ【physical server】

「サーバ」(server)とは、ネットワークを通じて他のコンピュータにデータや機能を提供するコンピュータのことである。Webサイトの表示、メールの送受信、ファイルの保存・共有など、日常的に利用するネットワークサービスの処理は、いずれかの物理サーバが担っている。
物理サーバはパソコンと基本的な仕様や設計が共通する汎用的なコンピュータで、内部にはCPUやメモリ、ストレージ、ネットワークインターフェースなどが組み込まれている。24時間365日の連続稼働を前提とした高い耐久性、信頼性を備え、電源や記憶装置を二重化するなどの冗長構成が取られることも多い。
仮想化ソフトやコンテナ技術を用いると、1台の物理サーバ上にソフトウェアによって複数の独立した論理的なサーバ環境を構築・稼働させることができる。これを「仮想サーバ」と呼び、作成や削除、複製、移転が容易である。物理サーバの資源を柔軟に配分することができ、メモリ割り当てを増やすなどといった資源の再配分も稼働状態のまま行うことができる。
物理サーバの導入には、機器の調達、設置、配線、ソフトウェアの導入と設定といった工程を順に行う必要であり、仮想サーバと比べて時間とコストがかかる。設置場所は自社施設内のサーバ室や、空調、電源、セキュリティが整ったデータセンターが一般的である。運用中もハードウェアの故障リスクや定期的な機器更新への対応が求められる。
近年はクラウドサービスの普及により、物理サーバを自社で保有しない選択肢も広まったが、高いセキュリティ要件や法的なデータ保管義務がある業種、低遅延・高負荷処理が求められる用途では引き続き物理サーバを自前で設置する場合がある。なお、クラウドサービスの内部でも多数の物理サーバが稼働しており、仮想化やコンテナ技術はその上で動作している。