ジョブネット
概要

バッチ処理やデータ集計、ファイル転送、帳票出力など、コンピュータに実行させる処理の単位を「ジョブ」(job)という。企業の情報システムでは日次・週次・月次といった周期で多数のジョブが自動実行され、その際にジョブ管理システムが連続して実行する複数のジョブの組み合わせをジョブネットという。
ジョブネットでは、複数ジョブの依存関係や実行条件をあらかじめ定義する。例えば、売上データの収集ジョブが正常終了したことを条件に集計ジョブを起動し、その結果を用いて帳票作成ジョブを実行するといった一連の流れを一つの単位として記述できる。特定の時刻になったら開始する、必要なファイルの到着を確認してから起動するといった条件設定も可能である。
ジョブネットは一般に、ジョブを頂点、実行順序や依存関係を線で表したネットワーク構造として管理される。単純な直列実行だけでなく、依存関係のないジョブを並列実行して処理時間を短縮することや、先行ジョブの成否に応じた分岐処理も実現できる。異常終了時にはリカバリ処理への迂回や管理者への通知を行い、障害発生箇所からの再実行によって全体の処理をやり直さずに済む運用が可能である。
近年のジョブ管理システムでは、複数のサーバやクラウド環境にまたがるジョブを一元管理できる機能が一般的になっている。実行状況や進捗は管理画面から視覚的に確認でき、どの段階でエラーが発生したかを即座に把握できる。金融機関や製造業、流通業など大量の定期処理を扱うシステムのほか、データ連携基盤やクラウドサービスの運用自動化にも活用されている。
(2026.6.5更新)