オファリング【offering】
オファリングとは?
企業が顧客に提供する製品やサービス、あるいはそれらを組み合わせた提供内容全体を指す用語。単なる製品販売に留まらず、顧客が求める成果や価値を実現するための提案内容を包括的に表す概念として、IT業界やコンサルティング業界を中心に用いられる。

「オファリング」という語はもともとコンサルティング業界で使われていた。顧客ごとの課題に応じ、ノウハウの伝授や仕組みの導入などをサービス内容として提供することを指し、コンサルティングの成果物を可視化して提供価値を明確に提示するための概念として用いられていた。
IT分野では、ソフトウェアやハードウェア、クラウドサービス、システム構築、運用・保守、コンサルティングなど複数の要素を組み合わせ、一つのパッケージとして体系化した提供形態を指すことが多い。顧客は個別の技術要素を選定したり組み合わせる必要はなく、特定の課題に対応した解決策をまとまった形で導入できる。
「ソリューション」(solution)に近い概念だが、ソリューションは顧客ごとの課題解決を目的とした個別提案や個別開発を指す場合が多い。一方、オファリングは提供側が保有する技術やサービス、ノウハウをあらかじめ体系化し、標準化されたパッケージを基盤として再利用可能な形で提供することを重視する。顧客に合わせて内容を調整することはあっても、提供の軸は標準化されたサービス群である。
近年では様々な業種の企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するようになり、多くのITベンダーやシステムインテグレータ(SIer)がオファリングを事業戦略の中核に据えるようになった。従来の受託開発型のビジネスは、顧客の要望に応じて個別にシステムを開発するモデルであったが、エンジニア不足や市場変化のスピードを背景に、自社の技術資産をパッケージ化して提案するオファリング型への移行が進んでいる。