SIS 【Strategic Information System】 戦略情報システム
概要
SIS(Strategic Information System)とは、企業の情報システムやその利用を、単に既存業務の支援や効率化など補助的・間接的な役割としてのみ捉えるのではなく、競争上の優位を築くための経営戦略の中核に位置づける考え方。また、そのような考え方から開発・導入された情報システムのこと。1985年に米コロンビア大学のチャールズ・ワイズマン(Charles M. Wiseman)教授が提唱した概念で、それまでの「MIS」(Management Information System:経営情報システム)などの考え方を発展させたもの。SISを “Strategic uses of Information Systems” (情報システムの戦略的利用)の略とする場合もある。
それまで間接部門の一部とみなされてきた情報システム部門を経営戦略の中枢に位置づけるため、SISの概念が普及した時期に米国などでは情報戦略の担当役員であるCIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)の設置が進んだ。
日本でも1980年代後半から90年代前半にかけてSISの考え方が紹介され、大企業を中心に流行した。代表的な成功事例として米アメリカン航空(当時)のオンライン座席予約システム「SABRE」がよく挙げられるほか、国内ではヤマト運輸や花王、セブンイレブン・ジャパンなどの1980年代末の躍進が事例としてよく例示される。
(2020.5.19更新)