ライブマイグレーション 【live migration】 ホットマイグレーション / hot migration
概要
ライブマイグレーション(live migration)とは、あるコンピュータ上で動作している仮想マシン(VM)を、その上で稼働中のソフトウェアを実行状態に置いたまま丸ごと別のコンピュータに移動すること。ソフトウェアを停止せずにハードウェアのメンテナンスや入れ替え、構成の変更などに柔軟に対応することができる。ライブマイグレーションを行なうと、ある物理コンピュータ上で動作している仮想マシン上のメモリイメージが丸ごと別のコンピュータ上の仮想マシンに移し替えられ、稼働中のOSやアプリケーションソフト、ネットワーク接続などを一切停止・切断させることなく新しいコンピュータ上で動作を継続することができる。
厳密には切り替えの瞬間に最短でミリ秒単位の瞬断が生じるが、外部とのコネクションのセッションなどは維持され、利用者や外部の別のシステムにとって移動に伴うサービスの中断が生じることはない。
ライブマイグレーションを行うには仮想マシンを構築・制御している仮想マシンモニタ(ハイパーバイザ)が対応している必要がある。また、一瞬で移動を行うには移転先を同一LAN内など近接した範囲に限定したり、ストレージを移転元と共有する必要があるなど一定の制約が生じる(長時間かけて遠隔地やストレージごと移動できるシステムも存在する)。
一方、稼働中のシステムを一旦停止して別の仮想マシンへ移動する方式は「クイックマイグレーション」(quick migration)あるいは「コールドマイグレーション」(cold migration)と呼ばれる。
(2019.12.28更新)