仮想サーバ 【バーチャルサーバ】 virtual server

概要

仮想サーバ(バーチャルサーバ)とは、物理的な一台のサーバコンピュータ(物理サーバ)上で、仮想化技術により複数の独立したサーバを稼働させたもの。

仮想化技術コンピュータCPUメインメモリRAM)、ストレージといった資源を区画分けし、それぞれ独立した一台の仮想マシンVMVirtual Machine)として稼働させる技術で、VM同士は互いに干渉せずそれぞれ独立にオペレーティングシステムOS)を実行できる。

仮想サーバはこれをインターネット上のサーバとして利用する方式で、一台のコンピュータを複数の利用者で共有しながら、それぞれがまるで一台のサーバを占有しているかのように管理、運用することができる。

企業などが大規模な情報システム運用する際に、異なる用途や技術に基づくサーバを一台の高性能・大容量なサーバコンピュータに収容して物理的な管理を集約することができる。レンタルサーバホスティングサービス)でも仮想サーバ単位で契約者に貸与するメニューが用意されることがあり、「VPS」(Virtual Private Server)などと呼ばれる。

Webサーバの仮想ホスト

Webサーバソフトウェアでは、一台のサーバあるいは一つのIPアドレスで、複数のホスト名あるいはドメイン名によるWebサイト運用する機能を「仮想ホスト」(バーチャルホストvirtual host)と呼ぶが、この機能を指して仮想サーバと呼ぶ場合がある。複数のWebサイトが一台に収容されている点を指して「仮想」と呼んでおり、仮想化技術とは直接の関係はない。

ブロードバンドルータなどのポート開放

家庭向けルータ製品などの機能の一つで、プライベートIPアドレス運用されている内部ネットワークインターネット側から着信(接続要求)できるようにすることを「ポート開放」というが、これを指して仮想サーバと呼ぶことがある。通常は不可能な内部ネットワークでのサーバ運用を一定の制約のもとで可能にすることからこのように呼ばれ、やはり仮想化技術とは直接の関係はない。

(2021.12.6更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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