TSS 【Time Sharing System】 タイムシェアリングシステム

概要

TSS(Time Sharing System)とは、コンピュータの処理時間を決まった短い時間に分割し、それぞれ異なる利用者プログラムに順番に割り当てることで、並行して効率的にコンピュータを利用できるようにするシステム

コンピュータが普及し始めた当初は個人用のコンピュータはなく、企業や官庁、大学などに設置された大型コンピュータを多数の利用者で共用する方式が一般的だった。

当時のコンピュータは一度に一つのプログラムしか実行できなかったため、利用者プログラムデータを用意してもすぐには実行できず、自分の番が回ってくるまで他の利用者の処理が終わるのを待たなければならなかった。

これに対し、TSS方式のコンピュータCPUの実行時間を極めて短い単位に分割し、実行中のプログラムに順繰りに割り当てる。各プログラムCPUを占有できないため処理性能は落ちるものの、利用者が使いたいときにすぐにプログラム実行することができる。

低性能機を多数購入するより高性能機を少数購入したほうが価格性能比が高かった事情もあり、コストを極端に増やさずに利用者の利便性を向上させる手法として大型コンピュータの世界で広く普及した。

処理時間を細かく等分して複数の主体に割り当てるという手法自体は、現代のマイクロプロセッサMPU/CPU)やオペレーティングシステムOS)でもマルチタスクマルチスレッドなどとして応用され、当たり前の仕様となっている。

(2020.3.14更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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