昭和100年問題

概要

昭和100年問題とは、年を表すデータを昭和に換算した2桁の整数で保持しているコンピュータシステムが、昭和100年にあたる2025年に正しくデータを処理できなくなる問題。

官公庁や大企業、金融機関などの情報システムのために昭和の時代に開発されたソフトウェアの中には、日付などで「年」を表現する必要がある場合に、昭和何年に相当するかを意味する2桁の整数で表すものがある。この形式だと、昭和63年は「63」、平成10年は「74」、令和元年は「94」などとなる。

西暦2025年は昭和に換算すると「昭和100年」に相当するため、このようなシステムは正しく処理することができず、「00」となって昭和0年(1925年?)として処理しようとしてしまったり、エラーを引き起こして処理が停止してしまうなどの不具合に見舞われると考えられている。

こうしたシステム開発された当時はメモリストレージが高価で記憶容量も少なく、読み書き速度も低速だった。ほんの僅かでもデータ容量を削減し、記憶領域の節約や入出力性能の向上を目指すことが重要視された結果このような形式が用いられたが、当時は何十年も先まで同じソフトウェアデータ形式を使い続けることはほとんど想定していなかったと思われる。

しかし、実際には当時のメインフレーム大型汎用機)向けに開発されたソフトウェアは想定外に長期間利用され、何十年も昔に設計開発されたソフトウェアが改修や移植を繰り返しながら現在も稼働し続けている例がある。また、過去のデータとの整合性ソフトウェア互換性システム相互運用性などの要請から、平成期以降に新たに開発されたソフトウェアの中にも、昭和で年データを表すものがあると見られている。

(2023.1.20更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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