ITSS 【IT Skill Standard】 ITスキル標準 / ITスキルスタンダード

概要

ITSS(IT Skill Standard)とは、IT関連事業や業務に従事する人材の持つ知識や能力、およびその水準を測る基準を、職種や専門分野などに定義したもの。経済産業省所管の独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が策定・公表している。

IT人材のスキルの熟達度を共通の定義や基準に基づいて測ったり比較したりできるよう、専門領域ごとにスキルを項目分けして整理し、熟達度の段階ごとに身につけるべき能力や実績となる経験の例を列挙している。

各分野の達成度指標(レベル)は7段階に分かれており、レベル1が最低限求められる基礎知識、レベル7は世界で通用する国内トップレベルの人材を表す。レベル4以上が高度IT人材であるとされる。

職種は「マーケティング」「セールス」「コンサルタント」「ITアーキテクト」「プロジェクトマネジメント」「ITスペシャリスト」「アプリケーションスペシャリスト」「ソフトウェアデベロップメント」「カスタマーサービス」「ITサービスマネジメント」(旧版ではオペレーション)「エデュケーション」の11分野に大別され、それぞれが2~6種の専門分野に分かれている。

ITSSを用いることでIT人材の能力がどの段階にあるかを共通の客観的な基準に基づいて判断でき、組織内での人材のポートフォリオを正確に把握できる。採用方針の策定や研修プログラム開発などの目安とすることもできる。

初版は2006年に公開され、2008年には最初の改訂版であるITSS V2が、2012年にはITSS V3が公開されている。2017年にはセキュリティデータサイエンスに関する標準がITSS+(アイティーエスエスプラス)として追加された。

(2018.11.15更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。