オープンシステム 【open system】 オープン系
概要
オープンシステム(open system)とは、様々な開発元のソフトウェアや機器を組み合わせて構築されたコンピュータシステムのこと。特定のメーカーの製品のみで構成された「プロプライエタリシステム」の対義語。オープンシステムで用いられる機材やソフトウェアは、互換性や相互運用性、業界標準や標準規格への準拠、接続仕様やデータ形式などが公開されているといった特徴を持ち、異なる開発元の製品を組み合わせて使用できる。コンピュータ本体、周辺機器、OS、ミドルウェア、アプリケーションソフトなどの構成要素単位で開発目的に適った製品をそれぞれ選択してシステムを構築する。
オープンな仕様の製品を組み合わせることで、それぞれ最もコストの安い製品を選択したり、どうしても利用したい特徴的な機能を持った製品を組み込んだり、といったように開発方針に応じて柔軟に構成を変更することができる。製品の選定や構築は、コンピュータメーカー以外の、情報システム開発を専門とする事業者(システムインテグレーター)が担当することが多い。
製品の種類や組み合わせによっては僅かな仕様の齟齬(俗に「相性」と呼ばれる)や標準からの逸脱などから不具合が生じる場合があり、一社の中で対応が完結するプロプライエタリシステムと異なり原因の究明や対策などはシステム構築者側が個々の開発元と連携して進めなければならない。
日本では1970年代までは大手のメインフレーム(大型汎用機)メーカー一社が単独でコンピュータ本体からアプリケーションソフトまで一体的に開発して納品し、運用やサポートまで担当する情報システムが一般的だったが、1980~90年代にこれをUNIXサーバなどを中心とするオープンシステムへ置き換える「オープン化」が流行した。
このとき同時に一台のメインフレームを複数の小規模なUNIXサーバの組み合わせに置き換える「ダウンサイジング」および「分散システム化」が進められたため、オープンシステムといえば小規模化・分散化と理解している人も多いが、このことはオープンであるか否かとは本来関係なく、オープンなメインフレームシステムもプロプライエタリなUNIX分散システムも存在する。