MVS 【Multiple Virtual Storage】
概要
MVS(Multiple Virtual Storage)とは、IBM社のメインフレーム(大型汎用機)向けのオペレーティングシステム(OS)製品の一つ。OS/360系のシステムの一つで、1974年に最初の製品が登場した。OS/VSで実現した仮想記憶(VS:Virtual Storage/今で言う仮想メモリ)を拡張し、個々のタスクが専用の仮想アドレス空間を持つことができる多重仮想記憶(MVS:Multiple Virtual Storage)を実現した。
一台の物理的なコンピュータをLPAR(Logical PARtition:論理区画)と呼ばれる論理的な単位に分割し、それぞれ独立にOSやソフトウェアを稼働させることができる。現代で言う仮想マシン(VM:Virtual Machine)に近い仕組みである。
1974年に最初に登場したときはOS/VSシリーズの一環として「OS/VS2 R2」という製品名だったが、後に「OS/VS2 MVS」、さらに「MVS」に改称された。1980年代には改良版としてMVS/XA、MVS/ESAなども提供され、後のOS/390、z/OSの原型となった。
(2019.8.14更新)