ドッグフーディング 【dogfooding】
例えば、ソフトウェア開発ツールを開発している企業が、そのツールを開発する業務にそのツール自体を導入することや、オペレーティングシステム(OS)を開発する企業が、自社内で利用するコンピュータをそのOSで稼働させることなどを指す。
開発者が自分でもその製品を日常的に使用することで、実際の利用環境に即したテストを継続的に行うことができ、欠陥の発見や修正、使いにくい点の改良、必要な機能の追加などを迅速に進めることが期待される。
また、IT分野では製品の表面的な仕様や機能、性能を謳うよりも「実際に自分達も使用しており、大きな恩恵を受けている」ことが説得力のある利用実績の一つになると考えられており、広告・宣伝やマーケティング戦略の一環として行われる場合もある。
由来については諸説ありはっきりしないが、1970年代のアメリカのドッグフードのCMに出演した俳優が「自分の犬にもこの製品を食べさせている」と主張したとも、ドッグフードメーカーの経営者が株主総会で自社製品を口にしたエピソードからとも言われる。
IT業界でこの表現が広く用いられるようになったのは、1980年代後半に米マイクロソフト(Microsoft)社内で、自社製品を開発環境に導入するよう促す電子メールに "Eating our own Dogfood" という表現があったことがきっかけとされる。
(2023.6.14更新)