SoE 【System of Engagement】

概要

SoE(System of Engagement)とは、情報システムを主目的によって分類したとき、主に人間と他の人間、組織、物事などの間の結びつき、関与を作り出し、あるいは強化するために構築されるもの。情報の記録は機能の一部として提供されるが主目的ではない。

携帯電話電子メールSNSメッセンジャーなど人間の繋がりのサポートや共同作業、メッセージの伝達などを行うシステムが含まれる。企業内の業務システムでも、グループウェアやコラボレーションツールのように集団での業務や作業を促進するもの、顧客との接点を担うものなどは一種のSoEと考えることができる。

また、そのシステムに多くの人間が集まって関与することによって成り立つ仕組みを含める場合もある。例えば、Wikipediaのような利用者参加型のコンテンツ作成プロジェクトオープンソースソフトウェア開発、利用者間のモノやサービスの交換・提供を取り次ぐネットサービスなどがこれに該当する。

1950年代にコンピュータが現れた当初は、事務作業の効率化などのために大量のデータを記録・処理することが主目的の「SoR」(System of Record)しか存在しなかったが、1990年代頃から新たな情報システムの利用法としてSoEが普及し始めた。近年では、蓄積された情報の加工や分析を通じて何らかの有用な洞察を得ることを主目的とする「SoI」(System of Insight)も現れている。

(2025.1.16更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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